■中小企業のDXの状況
社会全体のデジタル化が進行していく中で、中小企業の多くがデジタル化の対応に苦慮しています。2020年12月に経済産業省が『DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート2』の中で「多くの中小企業では、DX 以前の問題として IT 機器の導入をはじめとするデジタイゼーションの段階にさえも進んでいないのが現状である」と指摘しているとおり、中小企業のIT導入及びその運用のハードルの高さは切実なものとなっています。
■中小企業の課題を解決する『まかせてITシリーズ』
その大きな要因の一つとして挙げられるのがIT人材の問題です。人材が限られている中小企業では、ITの専任者を抱えることが難しく比較的詳しい社員が担当者となり、本業と兼務するケースが多いのが現状です。また、導入後の障害対応はもちろん、これからのIT活用において運用が重要になっていく中、技術的にもマンパワー的にも限界があります。
こうした課題を解決するためにキヤノンS&Sが2021年2月にリリースしたのが『まかせてIT』シリーズです。全国の中小企業のデジタル化や生産性向上などのお手伝いをしているキヤノンS&Sが、お客さまの声やこれまでの導入実績に基づき、ITの選定から導入、運用、保守までパック化したもので、これまで情報漏えい対策やデータ保護、さらにはPCのトラブル対応やソフトの操作を支援するパックを展開しています。
『まかせてIT』シリーズは、専門的な知識と高度な技術を持ったキヤノンS&Sが、最適なITの選定、導入だけでなく、日常の運用、トラブル発生時の保守対応までをトータルで支援することでお客さまが安心安全に業務を遂行できる環境を提供します。それにより中小企業のお客さまはITに関わる手間を最小限に抑えることで、限られた人材や時間を本業に集中いただくことが可能になります。
■セキュリティ対策安心パックリリースの背景
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)サイバーセキュリティ研究所によると、2020年に観測されたサイバー攻撃関連通信は、合計約5,000億パケットで、これは2011年からの10年間で実に110倍以上と激増しており(※)、昨今のサイバー攻撃の脅威の深刻度は増しています。
そのため多くの企業では、外部からの脅威への対策として、複数のセキュリティ機能を一元化したUTM(Unified Threat Management、統合脅威管理)装置等の導入を進めています。しかし、コロナ禍よるテレワークの浸透など働き方の変化が進み、在宅などオフィス以外のさまざまなロケーションで仕事をする機会が増えており、こうしたリモートワークの環境においては、端末がウイルスに感染するリスクが高くなります。その端末を接続することで社内ネットワークにウイルスを蔓延させる恐れがあるため、これからのセキュリティ対策では内部からのウィルス拡散を防止する検討も必要です。
一方で、このようなセキュリティアプライアンスを日々運用管理することは非常に負荷がかかります。実際に弊社サポートセンターにも、UTMの通信チェックの誤検知により見れなくなった業務上必要かつ安全なサイトを閲覧できるようにしてほしいというご要望や、近年増加しているhttpsを利用したフィッシングサイトへの対応に必要となるUTMが発行する証明書のPCへのインストール作業をPCの買い替えや増設の際に忘れてしまい一部のサイトが閲覧できない、といった運用面の相談や問い合わせが多く寄せられています。
■セキュリティ対策安心パックの概要
しかし専門的な知識や技術がない中小企業においては日々のセキュリティ対策の運用は非常に負荷が高い業務です。こうした状況を背景にネットワーク内外のセキュリティアプライアンスとその運用をパックにした『まかせてITセキュリティ対策安心パック』をリリースいたします。
今回、リリースする『セキュリティ対策安心パック』は、ウイルスなど外部からの脅威を防ぐ統合脅威管理の『FortiGate』と、万一脅威がネットワーク内に侵入した際も、内部ウイルス拡散防止などにより社内ネットワークを守る『SubGate』に加えて、リモートでの設定変更やセキュリティアラートのお問い合わせ対応などお客さまが日々スムーズにご利用いただくための運用サポートと障害切り分けの保守をセットにして提供します。
これまでもセキュリティアプライアンスやさまざまな運用サポート契約をご用意していましたが、これをパックすることで導入コストを25~30%(当社比)抑えることができます。
規模や要望に応じて柔軟に組み合わせることで、堅牢なセキュリティを提供し、お客さまの大切なIT資産を保護するとともに安心をご提供いたします。
※1出典:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)『NICTER観測レポート2020]』2021年2月
【価格体系】
商品名/まかせてIT セキュリティ対策安心パック
・参考価格(税別)/端末数50台の場合 260万円(5年)~
(アプライアンス本体〈FortiGate、Subgate〉、導入、運用、保守費用を含む)
※上記価格には、5年間の運用、保守を含みます。
※ご提案するシステム構成により価格が変動します。
【補足情報】
■FortiGateの概要
UTM(統合脅威管理)『FortiGate』は、米Fortinet社の開発した統合脅威管理(UTM)アプライアンスで、日本国内でのセキュリティ市場において、売上額、出荷台数ともに有数のシェアを誇る製品です。外部からの脅威対策として、社内からインターネットの間の通信を監査し、メールやWebアクセスからのマルウエア感染のブロックはもちろん、ウイルス感染した端末が攻撃者の仕掛けたサーバー(C&Cサーバー)への不正な通信を検知して遮断するなど、複数の強固なセキュリティ機能による多層防御を提供するアプライアンスです。
また、上記機能に加え当社が提供する『FortiGate』にはラック社が提供する脅威情報データベース「JLIST」を組み込んだ、日本国内で流行するサイバー攻撃への防御を強化した機能が搭載されています。
■SubGateの概要
『SubGate』は、ウイルス感染した端末が社内に接続された際に、ウイルスが他の端末に拡散しようとする不正な通信を検知しブロックすることで社内ネットワークを安全に保つアプライアンスです。