次世代HD-PLC技術は、通信の高速化と長距離化を切り替える機能を持つスケーラブルな通信を特長としています。2 MHz~28 MHzの周波数帯域を使用する標準モードをベースに、高速化においては帯域を2段階(2倍・4倍)に拡張することで最大1 Gbpsの通信速度を実現します。その一方で、長距離化においては帯域を2段階(1/2倍・1/4倍)に縮小することで最大約2倍の通信距離をも実現しています。さらに本機能に加え、電力線に限らず同軸線や制御線などのさまざまなメタル線を活用できることから、ビル・工場のエネルギーマネジメントや高精細な映像伝送などの多様なIoTアプリケーションへ柔軟に対応することが可能です。
本技術は、2019年に国際標準規格IEEE 1901aとして認定され、2020年にはIEEE 1901-2010と統合される形でIEEE 1901-2020として規格化されました。この度、同技術がIoTネットワーク向け有線通信プロトコルの一つとして国内標準にも認定されたことを受け、国内におけるHD-PLC対応機器の普及拡大に向けた取り組みを加速していきます。
パナソニックは、既に本標準に準拠した半導体IPコアのライセンス供与を開始しており、複数の半導体メーカーと2022年度中のLSIリリースに向けた準備を進めています。また、HD-PLCアライアンス(注5)などの団体を通じて、本標準およびIEEE 1901規格に準拠する機器間の相互接続性の確保に努めるとともに、住空間から社会インフラまでの幅広い分野でのIoT化によるDX/GXの推進に貢献していきます。
注1:一般社団法人情報通信技術委員会(TTC:Telecommunication Technology Committee)は、情報通信ネットワークに係る標準を作成することにより、情報通信分野における標準化に貢献するとともに、その普及を図ることを目的として設立された団体。
注2:2013年に制定された、ECHONET Lite(※)の下位層としてHD-PLCの物理層(PHY)及びメディアアクセス層(MAC)における仕様を規定した規格。
※スマートホーム向けにセンサ類、白物家電、設備系機器などをIoT化し、エネルギーマネジメントやリモートメンテナンスなどのサービスを実現するための通信仕様。
注3:「HD-PLC」はパナソニックが提唱する高速電力線通信方式の名称で、日本及びその他の国での登録商標もしくは商標。PLCはPower Line Communicationの略称。
注4:https://www.ttc.or.jp/document_db/information/view_express_entity/276
注5:高速電力線通信「HD-PLC」の普及拡大および通信互換性確保を目的として、2007年9月25日に設立。
ホームページ:https://jp.hd-plc.org/
【お問い合わせ先】
パナソニック株式会社 コーポレート戦略・技術部門 IoT PLCプロジェクト窓口
Email:info_hd-plc@ml.jp.panasonic.com
プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース] 次世代HD-PLC(TM)技術がTTC標準(JJ-300.20)として認定(2022年3月14日)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/03/jn220314-2/jn220314-2.html
<関連情報>
・HD-PLC(電力線通信) 半導体IPコア
https://www.panasonic.com/global/business/hd-plc/ja.html
・IoTネットワーク向け有線通信インタフェース(広帯域 Wavelet OFDM PLC(「HD-PLC」))一般社団法人情報通信技術委員会
https://www.ttc.or.jp/document_db/information/view_express_entity/276
・HD-PLCアライアンス
https://jp.hd-plc.org/
・パナソニックプレスリリース 次世代PLC技術が国際標準規格(IEEE 1901a)として認定
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/03/jn190325-1/jn190325-1.html
・パナソニックプレスリリース 国際標準規格(IEEE 1901-2020)に準拠した半導体IPコアのライセンス供与を開始
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/03/jn210316-1/jn210316-1.html