生産現場情報の統合と制御で経済価値と社会価値の両立に貢献
近年、製造業は品質や生産効率といった経済価値の更なる向上が引き続き求められるとともに、エネルギー生産性や労働者の働きがいなどの社会価値の向上も同時に求められ、お客様の課題が複雑化しています。経済価値と社会価値を両立させた生産を行うためには、1000分の1秒単位で変化する製造現場のデータを見える化し、複数の設備にわたって最適に制御することが求められます。これらの課題解決に向けて製造業のDXが進展する中、大量のデータを高速に収集・統合・分析するニーズが高まっています。
オムロンはお客様の現場データを収集・分析し、課題解決に向けて、高速高精度な制御技術を活かしたさまざまな制御アプリケーションを創出・提供してきました。オムロンが出資するソルティスターは、製造設備に関係する機器データを高速に時系列に統合可能な、高速データ統合技術を有しています。また、制御機器をはじめとした製造現場の知見を有しており、さまざまな設備への組込み技術も持ち合わせています。
今回の出資を通じて、オムロンの高速高精度な制御技術から生成された制御データとソルティスターの高速データ統合技術を高い次元で擦り合せることで、お客様の製造現場に関するデータを時刻同期の取れた形で高速統合し、他社の制御機器や人・エネルギーなどの情報も含めて収集することにより、従来は設備ごとにデータの周期やフォーマットが異なり分断されていた現場データを統合して高速に分析することが可能になります。分析した結果を装置パラメーターにリアルタイムでフィードバックすることにより、製造現場全体で「不良品を作らない製造ラインの実現」や「エネルギー生産性の向上」といった複雑化するお客様の経営目標と連動した現場課題の解決を具現化していきます。例えば、設備やワークの状態変化をライン全体にわたって把握し装置パラメーターを調整することで、エネルギー消費を最適化したり、あるいは不良品を作らない生産ラインを実現するなどし、廃棄プラスチックの削減やエネルギー生産性の向上に貢献します。
オムロンによるソルティスターへの出資により、両社の強みを活かした提供価値を共創することで、お客様の製造現場において生産効率と品質を維持しつつ、地球環境の保全に貢献することで企業価値の更なる向上を目指します。
オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長 山西 基裕は、次のように述べています。
「複雑化するお客様の課題解決のためには、製造現場のあらゆるデータを収集・分析することがますます重要になっていますが、製造現場のさまざまな装置は高速に動作し、データの取得周期も異なるため、正しい時間軸で整列・統合することが従来は困難でした。ソルティスターは高速なデータ統合を可能にするデータベース技術を保有し、製造現場の制御機器の経験も豊富という稀有な存在です。両社の技術を掛け合わせることで、これまで実現が困難だったニーズを解決していけることを嬉しく思います。」
ソルティスター 代表取締役の岩井 昇一は、次のように述べています。
「あらゆるシステムの中核技術であるデータ処理は永遠のスタンダード技術であり、弊社は沖縄・長野・塩尻・東京の4拠点で分散研究&開発しています。弊社が持つ高速・リアルタイム分析・拡張性に優れたデータベース技術とオムロンの高速高精度な制御技術との密なる連携によって、世界最高速の高機能・高精度の製品開発に関われることを嬉しく思います。また各種センサー・通信・装置・システム技術との連携をさらに強化し、世界で勝負できるデータベースおよびIoT製品の開発を目指します。」
<オムロン株式会社について>
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、130ヶ国以上で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/をご参照ください。
<株式会社ソルティスターについて>
2008年に設立された株式会社ソルティスターは、長年のデータベース技術の経験を集約し、あらゆる形式のデータベースを駆使してお客様のシステムに最適なデータベースエンジンを研究・開発し、製造現場の制御機器への組込みで数多くの実績を持つユニークな組込み系データベースの技術者集団です。詳細については、 https://www.saltyster.com/ をご参照ください。