「IoT&5Gソリューション展」にて姿勢推定などのAI推論をデモ展示
『エンドポイントAIカメラモジュール』は、かねてより当社の多彩な画像処理技術とルネサス エレクトロニクス株式会社のDRP-AI技術※を融合し、両社が共同で開発を進めていた半導体チップ(高電力効率を実現したAI推論実行/高解像度対応画像処理プロセッサ)を搭載した高性能カメラモジュールです。人やモノの動きを的確かつリアルタイムに読み取り、その被写体の種類や属性などをシステムのエンドポイントとなるカメラ本体で認識・分析・予測することができます。
※DRP(Dynamically Reconfigurable Processor)-AI:演算器間の接続を動的に切り替えながらAI推論を高速で処理するハードウエア。最新の学習済みAIモデルを実装することが可能。
現在、主にセキュリティ市場をはじめ、FA市場、マーケティング市場などに向けたAIビジネスソリューションの提供を目的に、新規事業立ち上げのため開発を進めています。
今回の参考出品では、ブース来場者の入場カウントと姿勢推定の簡単なデモンストレーションを行います。今後、市場に向けては、例えば以下のような用途を提案していく予定です。
<入退室管理>
時間帯により逆光や暗くなる環境では、ワイドダイナミックレンジと逆光補正で人物の白飛びや黒つぶれを抑えて、顔認証などを行います。
<工場内の作業分析>
生産ラインを広く撮影するシーンでは、レンズ周辺画像の人物の歪みを補正し、顔認証や人物追跡に加えて、姿勢推定により非効率な作業や動線を可視化できます。
<店舗における顧客分析>
顔認証・人物属性・姿勢推定により来店客の年齢・性別を判別し、個人が興味を持つ商品を推定してサイネージ広告でアピールすることも可能です。
なお、『エンドポイントAIカメラモジュール』を稼働させるには、目的に合わせたファームウエアを開発・搭載する必要があります。当社では、導入するユーザーが独自のファームウエアを作成するための『MDK(Module Design Kit)』も有償で提供する予定です。
<『エンドポイントAIカメラモジュール』の主な特長>
『MDK(Module Design Kit)』で開発した独自のファームウエアを搭載することによって、画像を使ったAIビジネスソリューションを提供できるカメラモジュールです。
高解像度4K30fpsの画像を高速で処理するほか、被写体の写りを最適化するカメラ設定と画像処理技術により、撮影環境に左右されにくい精度の高いAI推論を実行できます。撮影からAI推論実行まで、ネットワークを経由することなくカメラ本体のみで行えることから、リアルタイムでの認識・分析・予測に最適です。
<『MDK(Module Design Kit)』の主な特長>
用途に合わせた学習済みのAIモデルと最適なカメラ設定・画像処理技術を組み合わせて、独自のカメラファームウエアを開発するためのAPI※を用意します。また、学習済みのAIモデルをDRP-AI技術を搭載した推論実行/画像処理プロセッサへ書き込むため、最適な形式に変換するツール「DRP-AI Translator」などのソフトウエア、開発用の『エンドポイントAIカメラモジュール』もセットにした開発キットです。
※API(Application Programming Interface):異なるアプリケーションをつなぐためのインターフェイス