地域課題の解決に貢献する新スマート物流の拡張を目指して
日高川町、セイノーHD、エアロネクスト、エアロネクストの子会社NEXT DELIVERYは、令和5年度デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装Type1)「ドローンを活用した新スマート物流実装事業」の一環として、本年7月6日に日高川町川原河に新スマート物流*1SkyHub®*2の拠点となるドローンデポ®*3を開設し、美山地区、中津地区において、サービスを開始しています。
この度あらたにウフルを加えた4者は、日高川町の過疎地域における住民の孤立解消を目指します。セイノーHDとエアロネクストが共同で展開する新スマート物流SkyHub®のしくみを基に、ウフルのデータ連携基盤や地図ポータルなどの次世代技術と連携することで、住民一人ひとりに寄り添ったサービスを提供し、地域住民の生活の質向上とウェルビーイングの実現に貢献します。
写真向かって左よりセイノーHD執行役員河合秀治、日高川町町長久留米 啓史、エアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔、株式会社ウフル 代表取締役社長CEO 園田崇史
<連携協定の概要>
1. 締結日
2023年8月31日
2. 協定の内容
新スマート物流の実現に向け、データ連携基盤やドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しながら下記について取り組む。
(1)日高川町の地域交通や物流が抱える課題の解決に関すること
(2)日高川町の地域課題解決、健康、防災への対応の充実に向けた貢献に関すること
3. 取り組みの概要(予定)
日高川町は、和歌山県中央部に位置し、約90%が森林に覆われた緑豊かな地域です。清澄な日高川や四季折々の風物詩、質の高い農産物が魅力です。一方で、人口減少と高齢化が進行し、交通手段や若中年層の不足が深刻な課題となっています。買い物や日用品の入手が困難になり、特に独居世帯の共助・互助の促進が求められています。また、災害時の情報提供手段や緊急支援物資の迅速な提供体制の整備も必要です。
4者は、日高川町住民に安心した暮らしを提供するため、デジタル技術を活用した物流環境の整備に取り組みます。セイノーHDとエアロネクストが共同で展開する「SkyHubⓇ」やドローンを用いた新スマート物流のしくみの拡張にむけ、ウフルのサービス連携基盤「CUCON(キューコン)*4」や、地図ポータル「elcompath(エルコンパス)*5」などの次世代技術を組み合わせることで、物流を起点に住民一人ひとりに寄り添ったサービスの提供を目指します。
将来的には、物流網を生かした高齢者や独居世帯の見守りサービスや、災害時の緊急支援物資の迅速な提供などにもつなげ、地域住民の安心と健康を支えるウェルビーイングの実現に貢献します。
8月31日に実施された連携協定式において、代表四者が以下のとおりコメントしています。
<日高川町久留米 啓史のコメント>
日高川町は、平成17年5月1日に「川辺町」「中津村」「美山村」の3町村の合併により誕生した町であり、山間部となる美山地区については、高齢化率が52.5%(R2国勢調査)となっている。最近では人口急減、超高齢化により、様々な問題が発生してきており、住民一人ひとりが安心して暮らせるまちづくりを実現させるためには、現在実装を開始している新スマート物流の仕組みに加え、次世代技術を活用した連携が必要であると考えています。地域課題の抽出、健康や防災を始めとする暮らしのDXを推進し、今後5年先、10年先に住民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを目指します。
<セイノーHD執行役員 河合 秀治のコメント>
セイノーホールディングスは、幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大しております。日高川町においては、物流が担う役割やテクノロジーの実装で住民一人ひとりに寄り添いながら、住民の皆様が持続的に安心して暮せる街づくりと住民サービスの維持、向上に繋がるかを追求し、将来ドローンによる自動化を視野に入れ、新たな空と陸の物流モデル構築に向け取組んで参ります。
<エアロネクスト代表取締役CEO田路 圭輔のコメント>
エアロネクストグループはセイノーホールディングスとともに地域物流の効率化を目指して新スマート物流SkyHub®︎を全国各地で推進しています。2023年7月6日に日高川町にSkyHub®︎の拠点となるドローンデポ®︎を開設し、美山地区、中津地区において、お買い物代行などのサービスを開始しました。今後はウフルを加えたこの新しいチームが一丸となって地域社会が抱える様々な課題を解決する新しいサービスを実現していきたいと思います。
<株式会社ウフル 園田 崇史のコメント>
ウフルは2018年より和歌山県に拠点を置き、県内はもちろん全国各地でスマートシティの支援を行ってきました。日高川町が抱える課題は、全国の自治体が直面している課題でもあります。今回の事例をモデルケースとして、日本全国の課題に真摯に取り組んでいければと思います。
挨拶する日高川町長 久留米 啓史
挨拶するセイノーHD執行役員 河合秀治
挨拶するウフル代表取締役社長CEO 園田崇史
挨拶するエアロネクスト代表取締役CEO 田路圭輔
この連携協定により、四者が相互に連携、協力し、町の課題や住民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用により、日高川町における地域の課題解決と地方創生に寄与してまいります。
資料
*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。
*2 新スマート物流SkyHubⓇ
エアロネクストとセイノーホールディングス株式会社が共同で進める既存物流とドローン物流をつなぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれること、共同配送を実現する、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみであることが特徴。SkyHubⓇの導入は、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
*3 ドローンデポ®
既存の陸上物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の集積・配送の拠点であり倉庫で、荷物をドローン配送できる仕組みを持つ倉庫。
*4サービス連携基盤「CUCON(キューコン)」
「CUCON」は、企業やITサービスのデータをつなぎ、自由に活用するための連携プラットフォームです。
企業や社会が抱える課題の解決に向け、分野ごとに分散したデータやサービスを集約・分析・共有することで、高度な先端サービスの提供を可能にします。CUCONは、難しいプログラミング技術を必要としないローコード開発によって、機能を追加できる拡張性が特長です。これにより、サービス提供者は顧客や住民などのユーザーとのコミュニケーションを中心に、利用者の視点に立ったサービスの最適化を図ることができます。CUCONは世の中のサービスとデータを最大限に活用し、企業や社会の無理や無駄をなくすことで持続可能な世の中の実現を目指します。
*5地図ポータル「elcompath(エルコンパス)」
「elcompath」は、地図に表示する情報をカスタマイズできるデジタルマップです。
目的に応じて必要な情報のみを表示・投稿できるシンプルな仕様で、ユーザーの素早い認知や効果的な行動喚起を促進します。また、分野を問わず活用できる汎用性があるため、災害時のハザードマップ、旅行者向けの観光マップ、地域を走る循環バスの現在地をリアルタイムに示すマップなど、多岐にわたって活用されています。
【日高川町とは】
日高川町は和歌山県のほぼ中央に位置し、町の中央部を日本一長い2級河川である日高川が東西に蛇行しながら流れています。また総面積の約90%が森林と、緑あふれる自然豊かな町です。
温暖な気候や豊かな水、広大な森林資源に恵まれた本町では、古くから農林業が盛んで、温州みかんをはじめ、不知火等の柑橘類やウスイエンドウ、ミニトマト等の野菜類が栽培されています。
中でも、火力や燃焼時間で優れ、その製炭技術が和歌山県の無形民俗文化財に指定される紀州備長炭の生産量は日本一を誇ります。
*詳細についてはhttps://www.town.hidakagawa.lg.jp/をご覧下さい。
【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、物流を中心軸として、金融、人材、調達など物流周辺領域までワンストップで価値を提供しています。私たちは、お客様の繁栄に貢献するため、物流を超えて心をつなぎ、すべての人に笑顔と幸せをお届けする企業集団を目指しています。
現在「Team Green Logistics」をスローガンに、業界や企業の垣根を超えたオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)の展開を全体戦略として、日本が直面している少子高齢化・環境問題などの社会課題の解決に向け、持続可能な物流ネットワークの最適化を実現する「Green物流」の共創に挑戦しています。
ラストワンマイル領域においては、社会全体の生活様式や構造の変化に伴って、買い物弱者や貧困家庭への対策として「社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.」の構築を積極的に推進しています。
*オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)
社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)、物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらにはインフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想
*会社概要はhttps://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/をご覧下さい。
【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITYⓇ。この4D GRAVITYⓇを産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITYⓇライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHubⓇの実現のために戦略子会社株式会社NEXT DELIVERYを設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。
【株式会社ウフルとは】
ウフルは「テクノロジーと自由な発想で、持続可能な社会を創る」を理念として、企業や社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)とデータ活用を支援・推進しています。クラウドサービスの導入と運用をはじめ、コンサルティングやシステム開発等を自社製品やソリューションとともに、エッジからクラウドまでワンストップで提供しています。また、企業活動の枠を超えて、地域や産業のDXを実現するために、スマートシティやスマートサプライチェーンに必要とされる、信頼できるデータ流通のための仕組みの導入と標準化に向けた提言を行いながら、IoT×ブロックチェーン領域における研究開発にも取り組んでいます。
*会社概要は https://uhuru.co.jp/ をご覧ください。
エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。 その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。