ー生成AI/GPTとIBM Watsonの融合によるDXイニシアティブー
三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本修 、以下 三井化学)と日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山口明夫、以下 日本IBM)は、生成AI(ジェネレーティブAI)のひとつであるMicrosoft Azure OpenAIのGPT(Generative Pre-trained Transformer)と、IBMのAIであるIBM Watsonを融合することで、三井化学の製品の新規用途探索における高精度化と高速化を実現しました。
具体的には、三井化学固有の辞書作成数が約10倍に増加、明確に「用途」と記載のあるデータにおいては新規用途の抽出作業効率が3倍に向上、新規用途の発見数が約2倍へ増加、という3つの成果を実現しました。
新規用途探索とは、ニュース・SNS・特許などの多様なビッグデータを効率的にAI分析して、三井化学の製品の機能特性に関連するキーワードから、新しい用途を発見するという取り組みです。本取り組みは、三井化学における、事業領域のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進することで、製品のトップライン(売り上げ)やマーケットシェアの拡大を目指すイニシアティブです。
■ GPTとIBM Watsonの棲み分けについて
IBM Watsonは、三井化学固有の辞書を構築したうえで、特許・ニュース・SNSといったビッグデータを分析する、エンタープライズAI基盤の位置づけです。対して、GPT側は、生成/応答/抽出/要約といった機能、高速サーチ機能やインタラクティブ・インターフェースを組み合わせることで、IBM Watsonによる新規用途探索の分析能力を向上させました。
■GPT活用による3つの成果
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4か月間での辞書作成数が、従前に比べて約10倍に増加
4か月間あたりの辞書作成数が、従前に比べて約10倍に増えました。これは、従来は分析者が技術資料や論文、Web等の情報を集めて行っていた辞書案の作成を、GPTとの対話を通じて作成 したことや、英訳辞書の作成にGPTを用いて、文脈を考慮した高度な翻訳を短時間でできるようになったことで、辞書案数を増加させたことなどによって実現しています。
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明確に「用途」と記載のあるデータにおいて、新規用途の抽出作業効率が3倍に向上
新規用途探索の用途抽出プロセスにおいて、GPTの抽出機能を活用することによって、明確に「用途」としての記載があるデータのうち、約70%を自動で抽出することが可能となりました。
これによって、膨大な用途候補キーワードを全て確認する作業の負荷を軽減すること、新しい「用途」キーワードを効率的に発見することが可能になり、新規用途の抽出作業効率が3倍に向上しました。
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新規用途発見数が約2倍に増加
GPT導入の効果として、上記2つの改善効果により、新規用途発見数が倍増しました。これにより、より効率的かつ迅速に新規用途を発見すること、また、製品の用途の拡大が可能になりました。
三井化学は、今後大きく発展する生成AIを活用し、市場開発から製品開発までのスピードを加速させ、世の中のイノベーションを実現していきます。また、日本IBMは、IBM ConsultingのAIに関する豊富な実績や知識とデータサイエンス領域における先見的な知識、実装のノウハウや技術力を活かし、今後も日本企業の生産性向上に向けて支援していきます。
<三井化学 常務執行役員 CDO 三瓶雅夫 コメント>
GPT/生成AIをIBM Watsonと組み合わせることで、この4か月間の実証実験を通じ、新規用途探索イニシアティブにおける自社固有辞書ボリュームを10倍に増量、新規用途の抽出精度を3倍に向上、そして新規用途発見数を倍増させるという成果を実現してまいりました。新規用途探索は、GPT/AI活用によりトップラインを上げマーケットシェアを拡大するという、当社の長期経営計画VISION 2030におけるポートフォリオ変革を加速するDXイニシアティブです。今後はさらにGPTのマルチモーダル機能を活用した当社独自の対話型AIの構築に取り組んでまいります。
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