国内の空港MCAは全てTETRAに更改完了、空港間通信基盤としてさらに拡大
これまでNARは、成田・那覇・中部の各空港においてTETRAの導入とサービス運営を行っており、その信頼性、通話品質、端末の堅牢性や利便性等は高い評価を得ています。また近年、様々な自然災害が空港に被害を与えており、空港BCPの観点からも信頼性の高い空港専用の無線システムの重要性が高まっています。NARは今後もサービスの安定運用に努め、空港業務に対応した端末・付加サービスの提供や電波環境の改善をきめ細やかに実施し、運航と空港の安全を支えてまいります。
事業の概要
- 事業譲渡およびサービス提供開始時期:2022年4月1日
- サービス提供エリア:関西国際空港およびその周辺
- 無線端末提供形態:レンタル(一年契約、短期契約、臨時契約)
- 無線端末の種類:携帯型2種類、車載型2種類、卓上型
- 付加サービス:空港間通信(関西、中部、成田、那覇各空港相互間)、テキストメッセージ、GPS位置情報管理、スマートフォンによる通話機能等
- NARの役割:TETRA無線サービス提供、システムの運用・保守
*1 NARについて
会社名:日本空港無線サービス株式会社
代表者:代表取締役社長 高橋 禎一
所在地:千葉県成田市駒井野2112 NTT成田国際空港ビル
資本金:100百万円
株主構成:東日本電信電話株式会社(100%)
事業内容:電気通信事業(TETRA無線サービス、A/G無線電話サービス他)、電気通信システム・機器等の設計、施工・運用・保守・販売・賃貸、関連するコンサルティング等
*2 空港MCA無線について
空港運営管理やグランドハンドリング・地上管制などの空港業務に用いられるデジタル無線電話サービス。空港専用の400MHz帯を使用したマルチチャンネルアクセス方式で、空港内に設置した基地局を介して音声通話を行う。日本では、1990年代より成田・羽田・中部・関西・那覇に導入され、2016年からはTETRAへのシステム更改が進められている。屋内アンテナ設備によってターミナルビル内もカバーし、公衆網のふくそうや規制等の影響を受けないことから、東日本大震災や近年の大型台風などにおいても活躍し、大規模災害時での業務継続も支えている。
*3 TETRAについて
1995年ETSIで標準化された公共安全向け業務用デジタル通信方式で、世界各国の警察・消防・国防機関・国際的催事などの他、約80の空港で運用され、現在も導入拡大が続いている。国内では2014年にARIBにおいて標準規格が策定された。2016年から空港MCAの後継システムとして成田・羽田・中部・那覇の各空港に順次導入され、2022年の関西国際空港導入によって既存の空港MCA全てがTETRAに置き換わった。国内では、約20自治体の防災無線システムとしても導入されている。従来のMCA無線と比較して、応答性や通話品質、通話グループ設定の柔軟性などが向上し、また空港間やスマートフォンとの相互接続、テキストメッセージ、GPSによる位置情報管理などの機能を持つ。
※ETSI:欧州電気通信標準化機構 (European Telecommunications Standards Institute)
※ARIB:一般社団法人電波産業会(Association of Radio Industries and Businesses)