合同会社RenovateJapan/静岡県焼津市にて、「完成しないホテル」

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廃ホテルの再生を通じて、まちと旅人がつながる

空き家を活用し、家と仕事に困っている人を支援する「タテナオシ」事業を展開する社会的企業Renovate Japan(代表:甲斐隆之)が今回臨む舞台は、静岡県焼津市における廃ホテルの「タテナオシ」。初めての地方進出への挑戦です。ホテルの改修・再生を通して、様々な人々が焼津のまちに集い、そしてつながっていく。来訪者が手を加えられる余白を常に残しながら完成することのない、そんな新しい形のホテルを目指して、焼津におけるタテナオシ事業が2023年2月から本格始動します。

 

 

地域と旅人でつくる「完成しないホテル」 

今回Renovate Japanが手掛けるのは、静岡県JR焼津駅の北口から徒歩4分の場所にある廃業したホテル物件。4階建て22室で、かつてはビジネスホテルとして営業していましたが、廃業して10 年以上が経過し、現在は内装を中心にやや荒れた状態になってしまっています。 近隣の方もその景観の問題に少し困っていた様子。

今まで通り改修中の空間を活用し、物件と人の再生を重ね合わせる「タテナオシ」の仕組みを応用しながらも、まちや旅人など様々な人が集いつながる新しい形のホテルとして生まれ変わらせます。特に工夫する点として、従来ロビーだった1階部分を地域のたまり場として改修した上で、地域の人々が訪れやすい雰囲気をつくりながら宿泊する旅人との交流を促進することをスタッフ業務の一つとします。さらに、あえて未改修部分や落書きができる壁など来訪者が手を加えられる余白を設け、つくるという共通の目的・行為を通じて繋がりを醸成していきます。

 

 

タテナオシin焼津プロジェクトの計画

フェーズ1:イベント開催(10月下旬より開始) 

現在の状態をできる限りそのまま活かしたイベントを開催し、このプロジェクトに賛同して関わってくれる地域のファンやサポーターをつくりたいと考えています。また、イベントの準備・開催を通して、改修作業に向けた基本的な掃除、不用物の撤去等も完了させたいと考えています。

これまで既に2つのイベントを開催しました。まず、10月下旬にハロウィンイベントを開催しました。地域から市の職員等も含めて15名程度の参加があり、改修前のホテルという普段は入れない空間を生かした宝探しゲームなどで、物件の見学も兼ねながら楽しく運営することができました。次に、1月に新年に合わせて書初めイベントを実施し、これも15名ほどの参加がありました。改修前の壁一面に子供たちがのびのびと落書きできるコンセプトで、かなりの盛り上がりを見せました。保護者からは、普段できない経験を子供にさせてあげられて嬉しいなどの声が多く、とても好評でした。地域のテレビ取材もありました。今後もこのような地域で交流できるイベントを企画予定です。当事業専用のインスタグラムで改修やイベントの過程をこちらで発信しているので、よろしければご覧ください。また、ホテルのロゴが改修の進行にしたがって変化する予定ですので、こちらもぜひお楽しみに。

Renovate Japanでは以前からサポーター制度を設けており、改修作業にボランティアでご協力いただける方を常に募集しています(現在登録者130名以上!)。また、当事業ではアンケートフォームを活用してご意見箱を設置しており、誰でも気軽に事業の構想へ参画していただけるようにしています。上述のようなイベント開催を通じて、関心を強めてくれる方が増えたら幸いです。

 

フェーズ2:改修(2023年2月から2023年12月予定) 

改修は、これまでRenovate Japanが育んできた革新的な「タテナオシ」の仕組みで進めます。「タテナオシ」では具体的に、他の支援団体等と連携しながら、家と仕事に困っていて緊急支援を要する方を、改修済みの部屋に受け入れています。受け入れた方を、弊社では「リノベーター」と呼んでいます。リノベーターは改修済みの部屋に住み込みながら、残りの改修作業のお手伝いに自由に参加することができ、参加の程度に応じて生活費等を稼ぐことができます。Renovate Japanでは、その改修期間中にリノベーターが次の選択(セーフティネットや就労)に進めるよう支援していきます。これまで4軒の空き家物件の改修を通じて、5人のリノベーターを卒業まで支援してきました。

また、前述の通りフェーズ1で集まったサポーターや地域の方が参加できる場も定期的に作ります。そのようにして地域を自然に巻き込むことで、住み込みのリノベーターと関わり合いながら当事者や社会課題について深く触れる機会をつくり、理解を促進できれば幸いです。さらに、地域の方々が主体的なプロジェクトの参加者として「完成しないホテル」のファンになってくれたら、と考えています。

 

フェーズ3:オープン

一定の改修作業を施した後に、地域へひらかれたホテルとして開業します。しかし開業は「完成」ではありません。このホテルに来れば、常に何かを「つくる」機会が提供されます。例えば、釣りの焼津ならではのルアーを活用したアート企画、壁の塗り直し・デザイン、家具の組み立て、オリジナルタイル等の作成・施工、部屋の修繕等をワークショップで少しずつ開催できたらと考えています。こうした「つくる」場には地域の人も、旅人も、誰でも参加が可能です。参加後にはコーヒーの無料サービスや、宿泊代の割引、商店街の商品券の配布等も検討しています。この「つくる」場が触媒となれば、地域と旅人との交流が自然に生まれていくのではないでしょうか。「完成しないホテル」の醍醐味は、その接点が生み出す温かい経験とまちの活気にあると私たちは考えています。 

 

 

Renovate Japanについて

空き家を活用して、家と仕事に困っている方々を支援する「タテナオシ」事業を展開するソーシャルビジネスです。「誰もが生きやすい社会」をビジョンに掲げ、関東地方から中心に活動しています。これまで、家と仕事に困っていた方5名と協働し、4軒の空き家物件の改修に取り組んできました。5名とも改修終了後に卒業し、それぞれの道に進んでいます。改修後の物件はシェアハウスなどの形で運用し、収益化しています。ホームページ(renovatejapan.com)も最近大幅に更新いたしましたので、よろしければご覧ください。

 

 

タテナオシin焼津

住所:静岡県焼津市駅北2丁目8-11

Instagram: https://www.instagram.com/hotel.yaizu/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D

 

合同会社 Renovate Japan 

 

 

 

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