合金や金属材料の品質検査において、業務効率と解析精度の向上に貢献
今回、「OLYMPUS Stream」のアップデートで新たに搭載した、ディープラーニングを活用した画像解析技術「TruAI」は、合金や金属材料の品質検査で行う画像解析において、教師データを学ばせることで、顕微鏡画像から粒子やキズなどの対象物を正確に検出、分類することが可能です。これにより、作業者のスキルによる解析結果のバラつきや、煩雑な設定にかかる業務負荷といった製造現場の課題を解決し、業務効率と解析精度の向上に貢献します。
▪発売の概要
▪主な特長
「TruAI」により、対象物を正確に検出し、業務効率と解析精度の向上に貢献
「OLYMPUS Stream」の使用イメージ
▪開発の背景
「OLYMPUS Stream」は、電子部品や半導体、金属材料などの幅広い市場の製造部門、および品質管理部門、開発部門で活躍する、画像の撮影から計測・解析・レポート作成までを一貫してサポートする画像解析ソフトウェアです。顕微鏡画像の解析による検査は、品質を担保するための重要な工程のひとつです。一方、従来の解析フローは作業者のスキルよって結果にバラつきが出たり、また業務標準で定められたしきい値※を適用しても撮影条件の微妙な差により正確な結果が得られず、検査に手間取ってしまったりといった課題がありました。例えば、自動車のボディー部分や船用の鋼版など、さまざまな部品の素材となる金属を扱う鉄鋼市場では、金属の強度や品質を把握するため、金属の微細組織を解析します。従来の解析フローでは、作業者がしきい値を設定し、金属表面の対象物を検出しますが、対象物の色や輝度が似ていると適切に検出できないことがありました。こうした課題を改善するため、AIに対するニーズが高まっています。
※ 境目の値。ここでは対象物の検出を行うために設定する条件値のこと。
▪主な特長の詳細
「TruAI」により、対象物を正確に検出し、業務効率と解析精度の向上に貢献
「TruAI」に対象物が正しく検出された画像を教師データとして学ばせることで、色や輝度が似ていて誤検出されやすい箇所を識別し、最適なしきい値を自動で設定できます。これにより、検出対象や撮影条件、および作業者のスキルに依存せず、正確な検出ができます。また「TruAI」は、1枚以上の教師データを学習させることで、実用が可能です。学習させた「TruAI」のデータは、「OLYMPUS Stream」がインストールされた別の機器へ受け渡せるため、同一の水準で検出をすることができます。これらの「TruAI」を活用した解析により、現場の業務効率と解析精度の向上に貢献します。
加工処理をした銅の顕微鏡画像をもとに純銅を検出した画像の比較
左:元画像、右上:「TruAI」を活用した検出結果、右下:従来のワークフローによる検出結果
従来のワークフローによる検出では、純銅部分と混合素材部分の色や輝度を正確に判断できず、検出対象ではない混合素材まで誤検出されている(青楕円部分)。
「TruAI」を活用した解析では、純銅のみを適切に検出できている。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
オリンパスの産業分野について
オリンパスの産業分野は、工業用顕微鏡や工業用内視鏡から、非破壊検査機器やX線分析装置に至るまで、お客さまの様々なニーズに応える製品・ソリューションを提供しています。これらの製品により、製造、メンテナンス、資源・環境調査などの分野で、品質管理に貢献し、社会インフラの安全を支えています。詳しくは、www.olympus-ims.com/ja/ をご覧ください。