オールコネクトは2023年6月20日~2023年7月14日、認定NPO法人キッズドアの「キッズドア学園オンライン」にて支援を受けている高校1年生から高校3年生の男女52名を対象に「インターネットを利用したオンライン学習」のアンケート調査を行いました。今回の調査によって、現役高校生達の学習における通信環境の重要性が明らかになりました。
※本調査結果は、オンラインでの学習支援を受講している生徒の通信環境となっています。
-
問1. ネットを用いて最も学習に役立ったと思う行動は?
一番多かった回答が同率で“オンラインカウンセリングで課題を発見できた”・ “講師に分からない点を質問した” という結果でした。
過去問や問題集を解くといった、1人学習にインターネットを用いることに有益性を感じたと回答する生徒も多いですが、インターネットを利用して第三者にオンラインで相談や質問を行うことで、進学や学習面での課題が発見できる点や自身の進路に関しての立ち位置を認識できる点に有益性を感じている生徒が多いという結果を示しています。
-
問2. 受験や進学に向けてネットを利用してどのような情報を集めていますか?
続いて、ネットを使ってどのような情報を集めているのかを聞いたところ、志望校情報が一番多い結果となりました。志望校情報は学校の文化・特色や評判など自身の進路を考える上で非常に重要な情報であり、インターネットを利用することで、最新の情報をいち早く得ることが出来ます。グラフの約8割以上が志望校の情報収集のためにネットを利用していると答えていることから、日常的に多くの生徒がネットから学校情報を調べていると考えられます。
また、YouTube動画教材の閲覧も約5割の生徒が行っていることがわかりました。
近年YouTubeにはあらゆる学問の講義や授業形式の動画が増えており、そのほとんどは基本的に無料で視聴できることから、多くの生徒にとって勉強の手段の1つとなっているのではないいでしょうか。
進学や学力向上にあたって通信環境の重要性を確かめるため、率直に以下のような質問も実施いたしました。
-
問3. ネットでしか収集ができなかった情報があればご記入ください(自由回答)
・オープンキャンパスの予約
・学校のイベントや模試はインターネット上でしか手に入れることができなかった。
・参考書や単語帳を買う時にどれがいいか口コミを調べた
・志望大学の体験授業が公開されていた
・大学のオープンキャンパスの申し込み
・志望校のホームページや教科書に載っていないようなちょっとした疑問の回答
オープンキャンパスの申し込みや受験願書の提出など、進学関連の手続きはほとんどがWEBからだったという声も多くありました。
今の時代、全ての生徒に通信環境が整備されていることが前提となった受験・進学のシステムが構築されており、進学において通信環境は必要不可欠であると言えます。
キッズドア学園にて支援を受けている家庭の子どもの大半は、スマートフォンを保持しています。課題として、契約している通信容量が足りていない点が挙げられるそうです。
生活のあらゆることがネットを通じて出来るようになっている点やSNSの普及から、一般的な通信容量の利用量は増加していると考えられます。
-
問4. 所有しているスマートフォンの契約ギガ数を選んでください(n=52)
問1~問3の回答から、生徒の多くが学習や自身の進路に関する情報収集にネットを利用していることが明らかになりました。
そこで、生徒が所有しているスマートフォンの契約ギガ数を聞いたところ、5GB未満での契約が一番多い結果でした。
5GBの通信容量は動画閲覧可能時間で換算すると、約15時間ほどの計算となります。
一般的にスマートフォンの利用は動画やSNS、ネットの閲覧だけではなく音声通話やメッセージの送受信など多岐に渡ります。YouTubeをはじめとした動画教材の視聴、オンラインでの授業やカウンセリングなど、生徒が以前よりも学習や進路関連の用途で通信を利用する頻度が増えている今、通信容量が足りない生徒も増えているかもしれません。
-
問5. ご家庭の通信環境について該当するものを選んでください(n=52)
問4より、生徒が所持するスマートフォンの契約ギガ数の40%以上が5GB未満であることが分かりました。そこで、ご家庭の通信環境についてきいたところ約5割のご家庭で、固定回線が設置されているとの結果でした。
また、下記のような学習時の困りごとに関して自由回答で聞いたところ、下記のような回答がありました。
・元々スマホの使用は学校では禁止されているが、稀にタブレットなどの設定でスマホが必要な時があり、その際にギガ数が足りず先生方に迷惑をかけてしまった。
・学習のために、クイズ作成サイトを利用していた際に大量に広告が出て意図せず多くのギガを消費してしまい、なかなか自由に使えない。
家庭においては通信環境が整備されている生徒は半数を超えるものの、その一方でスマートフォン通信のみの生徒も1割以上います。上記の自由回答から、通信が満足に使えないことで起こる問題は、今回アンケートを取った生徒の多くの契約ギガ数が5GB未満と少ないことから、外出時に発生していると考えられます。
通信環境の格差は、生徒の進学や学力向上に大きな影響を与えていると考えています。自身の努力や研鑽で改善出来ない“環境”によって生徒の選択肢が狭まることは避けなければなりません。
オールコネクトは今回のアンケート結果を受け、引き続きWi-Fiルーターの無償貸与を始めとした支援を継続していきます。
-
団体概要
名称:認定NPO法人キッズドア(NPO Kidsdoor)
設立:2007年1月
理事長:渡辺 由美子
所在地:東京都中央区新川2-16-10 プライムアーバン新川2階
・活動内容
1.教育支援事業:貧困家庭の小学生〜高校生・高校中退した若者を対象に、無料学習会や勉強とともに食事等の生活支援も行う居場所型学習会を、東京とその近郊、及び宮城で展開。
2.ファミリーサポート事業:ご登録いただいた全国の困窮子育て家庭を対象に、情報支援や食料・文房具支援、保護者への就労支援を実施。
3.普及・啓発・アドボカシー:渡辺理事長は、内閣府や厚生労働省の委員も務める。
-
株式会社 ALL CONNECT
代表取締役 :岩井 宏太
所在地 :(本社)福井県福井市栂野町第15号1番地2
:(東京支店)東京都港区浜松町1丁目3番1号浜離宮ザ・タワー4F
設立 :2005年4月21日