マーケットエンタープライズ/2021年4月〜6月中古スマホ取引数ランキング

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大手新ブランド登場とコロナ禍のニューノーマルな暮らしによる影響は? 主要4市場より抽出された中古スマホ相場データより分析

株式会社マーケットエンタープライズ(東京都中央区、代表取締役社長:小林 泰士、東証一部・証券コード3135)は、当社が運営するウェブメディア「iPhone 格安SIM 通信」(https://www.kashi-mo.com/media/)にて提供している、フリマアプリやインターネットオークション等主要4市場を総括した中古スマートフォン相場比較サービスより抽出した中古スマホ取引データの分析を行いましたので発表します。
  • 分析結果概要

1. 手頃な価格で人気続くiPhone 8
2. iPad需要の高まりは落ち着くもiPad(第6世代)は取引量増加
3. 順位変動が激しいAndroid 発売から3年で取引量は大幅減少
【総評】iPhone 13の指紋認証搭載は?ニューノーマルな暮らしで変化する需要構造

 

  • 1. 手頃な価格で人気続くiPhone 8

昨年1月〜3月にiPhone 8の取引量がiPhone 7の取引量を上回りました。以来、中古iPhone市場での取引の中心機種は、iPhone 7からiPhone 8に切り替わり、今回のランキングでも、上位3位をiPhone 8が独占しました。この背景には、2つの理由があると推察しています。
1つ目は、商品状態が悪いiPhone 7の出品が、中古市場で増えていることです。これが影響して、iPhone 7の人気低落に繋がったと言えるでしょう。2つ目の理由は、iPhone 8の価格下落です。今年1月〜3月に比べて、iPhone 8の平均価格は1,300〜2,000円下落しています。さらに、1年前と比較すると、8,000〜10,000円とiPhone 8平均価格の下落幅は大きく、現在の平均価格は17,000円を下回っています。iPhone SE(第2世代)やiPhone Xの中古端末購入価格が、30,000〜40,000円するのに対して、iPhone 8の中古端末は、20,000円以下で購入できる為、価格が支持されていると言えるでしょう。
 

  • 2. iPad需要の高まりは落ち着くもiPad(第6世代)は取引量増加

前回発表した調査では、新型iPad Pro発売により中古の型落ち端末需要が高まると予想していましたが、新型iPad Pro発売による取引量増加は、見られませんでした。2020年4月に発出された1度目の緊急事態宣言により、リモートワークやオンライン授業が増え、iPadの需要は増加しました。しかし、それから1年が経った今、需要は落ち着きを見せ、中古iPad市場全体の取引量が減少傾向にあります。取引数は、1位・2位共にiPad(第6世代)cellular 32GBが、ランクインしました。auは、今年1月〜3月の5位から1位に。NTTドコモは、今年1月〜3月の6位から2位と大きく順位を伸ばしています。iPad(第6世代)は、2018年3月の発売から3年経ち、中古市場での流通量が増えてきています。加えて、平均価格30,000円を切る価格で入手できる点が評価され、人気を博しています。3位には、今年1月〜3月に10位だったNTTドコモ版iPad Air 2 cellular 16GBが順位を伸ばしてランクインし、取引量は、40.2%増加しています。iPad Air 2は、2014年発売にも関わらず、平均価格は17,000円台で取引されており、人気の商品と言えるでしょう。
 

  • 3. 順位変動が激しいAndroid 発売から3年で取引量は大幅減少

Androidに関する詳しい解説は、こちらをご覧ください。:https://www.kashi-mo.com/media/113385/
 

  • 分析:中古モバイル市場アナリスト 菅野 辰則

今年1月〜3月は、キャリアからの新プラン発表に起因するサービス開始前の囲い込みと、新生活準備のための乗り換えが多く発生し、SIMフリー端末を中心に中古スマートフォンの取引が活発になりました。しかし、その動きも既に落ち着きを見せています。キャリア活発化の反動を受け、今年の4月〜6月は、iPhone・Android共に取引量の減少が見られました。コロナ禍では、オンライン授業でiPadを導入する学校もあり、中古端末の需要が落ち着いてきたものの、新品は一定数の需要がありそうです。しかし、現在iPadは、Appleストアで購入した商品のお届けに遅れが生じています。遅れの要因として考えられるのは、半導体やミニLEDバックライトディスプレイなどの供給不足です。これにより、Appleストアでの新品購入を検討していたユーザーが、価格が安くて、すぐ手に入る中古端末購入に流れる可能性も少なくありません。iPadの中古需要が、落ち着いてきたとはいえ、これらの動きがどのように中古市場に影響をもたらすのか注視して行きたいと思います。また、来月の発売が噂されるiPhone 13に、指紋認証が搭載されるかどうかにも注目しています。新型コロナウイルスの影響でマスクの着用機会が増えた昨今では、Face IDより指紋認証が重宝されており、今年5月に登場した新型iPad Proにも指紋認証が搭載されました。iPhoneでは、iOS 14.7でApple Watchを着用すると、マスクの上からでも、ロック解除が可能になりました。新型コロナウイルス感染拡大の終息が見えない現在、生活様式が目まぐるしく変化し、それと共に需要構造も変わります。これらがどう変化していくのか、市場の動きから目が離せません。

株式会社マーケットエンタープライズ デジタルマーケティング事業本部

執行役員 菅野 辰則
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、デジタルマーケティング事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析する中古モバイル市場アナリストも兼任する。

■調査概要
調査方法:株式会社マーケットエンタープライズが運営するウェブメディア「iPhone格安SIM通信」で提供している中古スマートフォン相場比較サービスを通じて集積されたデータベースより抽出した中古スマートフォンの取引数・価格を集計
調査対象期間:2021年4月1日から2021年6月30日
調査対象市場:ヤフオク!、ムスビー、メルカリ、ラクマ

■運営メディア  
iPhone・Wi-Fi・WiMAXの情報をわかりやすく解説
iPhone 格安SIM通信https://www.kashi-mo.com/media/
格安SIM・スマホの通信速度や選び方を解説
SIMチェンジhttps://simchange.jp/

■株式会社マーケットエンタープライズ
マーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業などを展開しています。「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、2006年の設立以来、成長を続けています。2015年6月には東証マザーズに上場し、2021年2月に東証一部上場を果たしました。ネット型リユース事業のサービス利用者は延べ460万人を達成しました。
ウェブサイト:https://www.marketenterprise.co.jp/

 

 

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