主な調査結果で、技術部門のリーダーの98%がクラウドの複雑化によって影響を受け、特にサイバーセキュリティとコスト最適化の問題が表面化していることが示される
「このグローバル調査レポートは、技術部門のリーダーがクラウド利用の取り組みをどのように捉え、管理方法においてどのようなパラダイム シフトが生じているかを明らかにするものです」と、NetAppのクラウド ストレージ担当シニア バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャであるRonen Schwartzは述べています。「クラウドの導入が加速し、企業が競合を征するために革新を加速させる中、技術部門のリーダーは複数の優先事項を同時にこなすというプレッシャーの高まりに直面し、多くの人がこの新しい環境の効率性とセキュリティを管理する方法を見直しています」
また、NetAppの最高マーケティング責任者(CMO)であるGabie Bokoは次のように述べています。「当社のグローバル調査のデータは、現代のIT環境がきわめて複雑であること、そして技術部門のエグゼクティブにはクラウドへの投資による成果を数字で示さなければならないというプレッシャーがあることを証明しています。NetAppは、オンプレミスやクラウドの環境で技術部門のエグゼクティブがイノベーションを加速し、コストを削減し、一貫性、柔軟性、即応性を高められるようにするためのアプローチを通じて、クラウドの複雑性を解消してきました」
このレポートの主な内容は以下のとおりです。
クラウドの複雑さが転機を迎えている
データ管理の複雑さは、世界中の企業にとって許容できる限界に達しており、技術部門のエグゼクティブはビジネスへの影響を抑えなければならないというプレッシャーを感じています。しかし、技術的な課題や組織的な課題が企業のクラウド戦略を妨げる要因となっている可能性があり、回答者の88%は複数のクラウド環境にまたがる作業を障壁として挙げ、32%は経営陣レベルで明確なビジョンを共有することすら苦労しています。
日本では、データの複雑性をコントロールできない場合の懸念事項として、技術部門のエグゼクティブは、経営陣がクラウドに対して懐疑的な見方を強めていること(54%)と、ビジネス オペレーションを可視化できていないこと(52%)の2つを上位に挙げています。この2つの項目は、担当者がビジネス アプリケーションを十分に活用していないこと(49%)や、サイバーセキュリティ リスクの増大(41%)よりも高い割合を占めています。
経営陣はクラウドの成果がすぐに現れることを求めている
持続可能性は予想外にクラウド化を後押ししている要因であり、技術部門のエグゼクティブの10人に8人ほどが、自社のクラウド戦略でESG(環境、社会、ガバナンス)の成果を重視していると述べています。しかし、経営陣の間には投資回収率(ROI)への懸念があり、技術部門のエグゼクティブの84%は、クラウド戦略がすでに組織全体で成果を示しているものと期待されていると回答しています。
日本でも同様に、技術部門のエグゼクティブの10人に8人が、組織全体ですでにROIの成果が現れているものと期待しています。APAC地域の中で、日本のエグゼクティブが持続可能性戦略においてクラウドを重要視している割合は69%であり、シンガポール(72%)に次いで2番目に高い結果となりました。
技術部門のエグゼクティブはAIをクラウドの問題に対するソリューションと見なしている
技術部門のエグゼクティブの3分の1以上(37%)が、今後1年間に自社のクラウド環境の半分以上がAIを活用したアプリケーションでサポートされるようになると回答しています。中小規模企業(従業員数250名未満)の技術部門のエグゼクティブの半数近くが、サポートされる環境は今後1年間で50%に達し、2030年には63%に達すると予想していますが、大企業は後れを取っています。
APACは、AIを活用したクラウド アプリケーションを今後1年間に導入する予定の地域として上位3つに数えられています。地域内では日本がトップを占めており、回答者の73%が、2030年までにクラウド環境の半分以上がAI活用アプリケーションでサポートされると答えています。これは、AIを活用したアプリケーションの長期的な成長機会が日本にあることを示しています。
「NetAppのグローバル調査レポートでは、IT部門以外のエグゼクティブとIT部門のエグゼクティブの間で意思疎通が欠如していることが明らかになりました。特に、クラウド化の実現に取り組んでいるリーダーはコストと複雑性の問題に最も精通していますが、IT部門以外のエグゼクティブはまだ十分に理解していません。クラウドへの移行プロセスにおいて、リーダーは課題を実感しているので、こうした現状の課題やまだ表面化していない課題にベンダーが対処する余地が残されています」と、Evaluator Groupのシニア ストラテジスト兼アナリストであるRandy Kerns氏は述べています。「顧客がクラウドの実装に懸念を示す中、ベンダーにはプロセスを簡易化するソリューションを構築して提供するチャンスがあります」
「今日の日本のリーダーは、データ主権や持続可能性などの重要なビジネス成果をもたらす上でクラウドが重要であることを認識しています。こうしたリーダーの組織が直面しているクラウドの複雑性に対処することで、お客様はクラウドのメリットを最大限に引き出し、イノベーションを加速させて競合を征することができます」と、ネットアップ合同会社常務執行役員CTO(技術支援 / ソリューション部門)の近藤正孝は述べています。「専門知識、能力、ハイパースケーラとのパートナーシップを独自に組み合わせることで、NetAppはコスト、リスク、効率、持続可能性を最適化し、お客様が希望するクラウドを望みの方法で利用できるようにしています」
企業のマルチクラウド環境への移行が進む中、NetAppは、ITリーダーが合理化された単一ユーザ インターフェイスでシステムを管理できるようにすることで、効率のボトルネック緩和を目指しています。NetAppは進化したクラウド アプローチを採用し、次世代のクラウド管理とストレージをリードしています。そして、前述の調査レポートで説明している主なトレンド(コストの最適化、リスクの評価、持続可能なオペレーションなど)を常に把握するために必要なツールをITチームに提供しています。
詳しい情報と、レポート全文およびインフォグラフィックについては、2023年クラウドの複雑性に関するレポート(https://www.netapp.com/company/cloud-complexity-report/)のページをご覧ください。
調査方法について
NetAppはWakefield Researchと協力し、米国、EMEA(フランス、ドイツ、スペイン、英国)、APAC(インド、日本、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)の9市場において、企業の技術およびデータ担当の幹部300名を対象とした定量調査を2022年11月に実施しました。調査終了時、回答者全員が「部長クラス以上」に分類される役職に就き、IT、ITインフラ、クラウド インフラ、データ エンジニアリングの各部門に勤務していました。
NetAppについて
NetAppはグローバルなクラウド戦略で業界をリードする、Data-Centricなソフトウェア企業です。デジタル変革が加速する時代にデータを活用してリードする組織を支援します。クラウドでの開発、クラウドへの移行、オンプレミスでの独自のクラウドレベルのエクスペリエンス構築など、データセンターからクラウドまでのアプリケーションを最適な状態で実行できるシステム、ソフトウェア、クラウド サービスを提供しています。NetAppは、多様な環境にわたって機能するソリューションを通じて、組織が独自のデータ ファブリックを構築し、いつでもどこでも、必要なデータ、サービス、アプリケーションを適切なユーザにセキュアに提供できるようにしています。詳細については、www.netapp.comをご覧ください。また、Twitter、LinkedIn、Facebook、InstagramでNetAppをフォローしてください。
NetApp、NetAppのロゴ、https://www.netapp.com/company/legal/trademarks/に記載されているマークは、NetApp, Inc.の商標です。その他の会社名と製品名は、それを所有する各社の商標である場合があります。
付録 – アジア太平洋地域の統計とグラフ
1.クラウドの複雑さが転機を迎えている
APACでは、クラウド環境全体でデータが複雑化することに起因して、経営陣がクラウドに対して懐疑的な見方を強めている(47%)、担当者がビジネス アプリケーションを十分に活用していない(47%)、サイバーセキュリティ リスクの増大(45%)、ビジネス オペレーションを可視化できていない(41%)などの主な影響がビジネスに現れています。
2.技術的および組織的な障壁がクラウドの複雑さのジレンマを悪化させる
APACでは、オーストラリアとニュージーランドの技術部門のエグゼクティブが、「データ モビリティ」(42%)と「セキュリティとリスクへの対処」(42%)が最大の課題であると回答しています。「セキュリティとリスクへの対処」は、シンガポールでも最大の障壁として浮上しました(42%)。日本では、クラウド戦略のビジョンがないこと(37%)が最大の障壁として挙げられています。
3.技術部門のエグゼクティブと経営陣の間でクラウドのROIに関する緊張が高まっている
APACでは、収益の増加やコストの削減という観点からクラウドに費やした費用のROIをすでに達成していることが期待されているか、または短期間での進捗を示すように追い込まれている技術部門のエグゼクティブが86%に上ります。クラウドへの投資に対するROIの実績を示すというプレッシャーは、インドとシンガポールで最も高く、技術部門のエグゼクティブの10人に9人がそれを感じています。
4.クラウドをビジネスに不可欠な要素にしている主なポイント
APACの技術部門のエグゼクティブの4人に3人(75%)が、自社のマルチクラウド戦略はデータ主権の要件によって決まると回答しています。
APACのエグゼクティブの80%は、クラウド システムは持続可能性の目標を最優先に開発されていると回答しています。シンガポール(72%)と日本(69%)は、持続可能性戦略でクラウドを重視しています。
5.技術部門のエグゼクティブはAIをクラウドの問題に対するソリューションと見なしている
APACでは、技術部門のエグゼクティブの56%が、2030年までに自社のクラウド環境の半分以上がAIを活用したアプリケーションでサポートされるようになると回答しています。これは、この地域でAIを活用したアプリケーションが長期的に成長する機会を提供します。