ラインナップ拡充と統合制御技術により、生産現場の最適搬送領域を拡大
近年のモノづくり現場では、生産性や品質の追求に加え、作業者の負担軽減につながる現場づくりの重要性が高まっています。材料や仕掛品、完成品といった重量物を繰り返し運ぶ工程間搬送作業は、効率性の向上を求められる一方で、作業者の大きな身体的負担が伴います。例えば、自動車業界では多品種少量型の生産体制が進展したことで、搬送先も複数個所に分散した事や、小ロットの仕掛品を工程間で搬送する頻度が増加した事で、作業者の身体的負担も増加した事が課題となっています。
複雑化する生産現場において、搬送自動化の需要は高まりを見せていますが、各工程に見合った最適なロボットを選定しても、多数のモバイルロボット群(フリート)を制御するには、ロボットのモデル別や工程毎に、それぞれ異なる管理システムが必要です。そのため、多岐にわたる重量物をスムーズに搬送するためのシステム毎の投資ならびに、管理工数の確保が必要になります。
「MD-650」は、オムロンがこれまで展開してきた60~1500kgまでのラインナップにおいて、中可搬重量域の650kgに対応し、オムロン独自の制御技術により、人と機械が混在する生産現場でも、安全でスムーズな搬送を実現します。これにより各工程の搬送に最適なモバイルロボットを当社ラインナップから選定する事が可能となるだけでなく、独自のソフトウェア技術「OMRON Fleet Manager」によって、可搬重量の異なるモバイルロボット毎にシステム構築をする必要が無く、一つのシステム上で最大100台までを統合制御し、導入現場に最適化した搬送を実現します。また今年度中に900kgまでの中可搬重量域のモデルも追加し、ラインナップをさらに強化します。
<商品の特長>
1.中可搬重量域*¹トップレベル*²の搬送スピードと独自の障害物回避アルゴリズムで高速・安全搬送を実現
これまでの数千台に上るモノづくりの搬送現場への実装実績に基づき、最高速度2.2m/秒の走行性能と高度なナビゲーション機能、障害物回避アルゴリズムの採用で狭い通路でもスムーズに動作します。また、先進のバッテリー・充電技術を導入し、30分の充電で8時間の稼働を実現します。
2.独自のソフトウェア技術による全モバイルロボットの統合制御
一つのシステム上で可搬重量の異なる最大100台のモバイルロボットの統合的な搬送経路と、搬送順序の制御をリアルタイムに実現することができます。単一システムによる高度な連携により、生産スピードの異なる工程間搬送においても最適な経路をリアルタイムで構築し、滞留の少ない効率的な搬送を実現します。
3.国際標準規格ISO3691-4*³に準拠した高度な安全性
産業用無人搬送車の最新安全規格であるISO3691-4(2020年制定)に対応しています。今後、既存ラインナップへの拡充を図り、安全な工場環境の構築に貢献していきます。
さまざまな業界における搬送工程の負荷軽減に貢献するため、今後も安全かつ高品質なモバイルロボットの開発に取り組んでいきます。業界を超えた現場で安全で最適化された搬送経路を実現すべく、独自のソフトウェア制御を強化していきます。オムロンは、これからも人の価値を最大化させるオートメーションを実現し、人、産業、地球の豊かな未来を創造します。
*¹500~900kgの可搬重量域モデルのモバイルロボット
*²当社調べ 2023年6月時点
*³AGV(Automated Guided Vehicle)、AMR(Autonomous Mobile Robot)といった無人搬送車・システムに適用される国際的な安全規格。安全機能の要件と、車両の自動機能の妥当性確認の方法が定められており、これらに適合する事で規格を満たすことができる
モバイルロボットシリーズ ソリューションページ
https://www.fa.omron.co.jp/product/robotics/lineup/mobile/
<オムロン株式会社について>
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/をご参照ください。
<オムロン ロボティクス&セーフティテクノロジー株式会社について>
オムロン ロボティクス&セーフティテクノロジーは、産業用オートメーションのリーディングカンパニーとして、産業用ロボット、協働ロボット、モバイルロボット、およびセンシング技術ソリューションを提供し、お客様が最高レベルの効率性と安全性を達成できるようにサポートします。これらのソリューションはすべて、高性能で使いやすい最先端のソフトウェアとプログラミング・プラットフォームによって支えられています。この組織の目標は、人とロボットが安全かつ調和して働く新しい製造環境の構築に貢献することです。