スギノマシン/バリ取り技術とバリ制御技術を探求する 静岡で「デバラボ」(バリ取り研究所 Deburring Labo at SUGINO)開所

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デバラボのロゴマーク

ウォータージェットやフローティング加工など高度なバリ取り技術・商品の研究開発やテストを一か所に集約した、世界で唯一の施設

株式会社スギノマシン(富山県滑川市、代表取締役社長:杉野良暁)は、掛川事業所(静岡県掛川市)内で設置を進めてきた「デバラボ」(バリ取り研究所 Deburring Labo at SUGINO)を開所いたします。 
デバラボは、近年、生産性向上や危険作業の廃止を目的に自動化のニーズが高まっている「バリ取り」を研究します。ウォータージェット※1バリ取りやフローティング加工※2といった特殊で高度なバリ取り技術・商品の研究開発やテストを一か所に集約した、世界で唯一の施設です。

これまで富山県の拠点で実施していたウォータージェットバリ取りテスト等が太平洋側の拠点でも実施できるようになったため、お客様とのコミュニケーションをより密に行うことで、問題解決を図り、トータルソリューションを提案します。また、産学連携を視野に、地域の学びの場としての役割も果たしていきたいと考えております。

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打合せと軽作業ができるHubエリア打合せと軽作業ができるHubエリア

研究・テストを行うLaboエリア研究・テストを行うLaboエリア

■デバラボ 概要
名   称  デバラボ : バリ取り研究所 Deburring Labo at SUGINO
開 所 日  2023年7月20日
所 在 地  株式会社スギノマシン 掛川事業所内(静岡県掛川市長谷1300番地)
活動 内容  バリ取り・バリ制御に関する技術研究、商品開発、テスト・検証等を行う企業内ラボ
施   設  打合せルームと軽作業スペースを備え、情報交換するHubエリア(6.5×9m)
       各種装置を備え、加工テスト・研究を行うLaboエリア(9×15m)
研究 設備  高圧水バリ取り部品洗浄機(JCC 104 HYBRID)、小型マシニングセンタ(SC-V40a)、

                   ロボットバリ取り装置 等

■背景・狙い  
部品の加工時にできる突起を「バリ」と呼び、バリを除去することを「バリ取り」といいます。
近年、人手不足解消や生産性向上、危険作業の回避などを目的に自動化のニーズが高まっています。
スギノマシンは、コア技術として高圧水による洗浄技術、独自のフローティング加工によるバリ取り技術、マシニングセンタ等の切削技術を持っています。

これまでは各セクションでバリ取り関連商品を開発・販売していましたが、昨今の製造業の変革により新素材や新しい製造方法が次々と開発される中、時代の変化に迅速に対応し、お客様との接点を身近にするため、関連する設備や技術者を静岡県の掛川事業所に集め、デバラボ(バリ取り研究所)を開所しました。これにより高度なバリ取り技術や商品の研究開発を行い、お客様へのトータルソリューション提案を目指し品質の安定だけでなく人手不足や不安全作業等の社会問題解決に貢献していきます。

【資料】

1 デバラボのミッションについて

「バリ取りを考えるすべての人に閃きを」

デバラボは、ミッションとして「バリ取りを考えるすべての人に閃きを」を掲げます。
ものづくりの現場において、手作業が主流のバリ取りは、人手不足や危険作業、品質の不安定さといった問題から自動化が望まれている工程です。

ところがバリ取り工程は仕上り基準が曖昧で、また部品の設計段階においてバリ取り工法が考慮されていないため、自動化にはまだまだ多くの問題を抱えています。しかも、バリの大きさ、硬さ、発生する場所は不均一であるため、バリ取りにおける問題は多種多様で、装置・工具メーカーが商品を開発するだけで解決するわけではありません。

そこでデバラボは技術の追求とコミュニケーションを基にした“閃き”によって問題解決を図ります。
バリ取りに直接携わる人達だけでなく、バリを出す工程の人、開発者や設計者とも一緒にバリ取りの自動化について考えます。そして、様々な知識、経験や意見を交わし、スギノマシンの持つ技術とそれらを融合させ、皆様と共に“閃き”による問題解決を目指します。

2.デバラボの活動内容

  1. Hubエリアでの情報交換・技術交流

  2. Laboエリアでのバリ取りの問題に対する研究および加工テスト

  3. バリ取り技術の情報発信(Webサイト、セミナー)

3 デバラボの主な研究テーマ

■ ウォータージェットバリ取り

スギノマシンは、50年以上にわたりウォータージェット技術を培い、ウォータージェットを発生させるポンプをはじめ、洗浄装置、切断装置と多岐にわたる商品を開発・製造してきました。
この強みを活かして、次のテーマを研究します。

ウォータージェットバリ取り技術を追求し、高圧水の特性を活かしたバリ取り自動化の可能性を広げます。
(クロス穴のバリ取り、機械加工では難しい案件、広範囲の微細バリ、皮膜除去等)

② 刃具やブラシと組み合わせて最適な工法を開発・提案します。

■ フローティング加工

近年、産業用ロボットが加工現場に普及した事でロボットによるバリ取り自動化も検討されるようになりました。しかし、実際には様々な問題が発生しスムーズに自動化できることは稀です。
そこで、スギノマシンではフローティング機構を搭載したロボット用エンドエフェクター「BARRIQUAN(バリカン)」を開発しました。これらをさらに発展させるため、次のテーマを研究します。

①フローティング加工技術を追求し、ロボットによるバリ取り自動化の可能性を広げます。

(鋳物部品の加工バリ、ダイキャスト/鍛造部品のパーティングライン※3等)

② ロボットによる高速加工と仕上り品質を追求します。

■ マシニングセンタによるバリ取り・バリ制御

バリの大きさは不均一です。アプローチできない場所に発生したり、刃具の摩耗具合によってその大きさや硬さが変化したりします。
加工条件を追及し、発生メカニズムの把握が可能となれば、工程内のバリ取り負荷を軽減した効率的な生産が実現できます。

スギノマシンは、小型で高剛性を誇るマシニングセンタを開発しています。そのノウハウを駆使し、以下のテーマを研究します。

①取れやすいバリを出すバリ制御について研究します。

(フライス加工、穴あけ加工、材料特性、形状特性等)

② バリ形状に適した工法と工具選定を提案します。

4 施設・研究設備

■打合せルームと軽作業スペースを備えた「Hubエリア」
バリ取りの問題を解決するための「閃き」を促進する空間設計をしています。

カフェを意識した快適な空間で壁面ホワイトボードや大型モニタを利用し、活発にアイディアを出して発想を広げるための打合せルームです。

打合せルームと、Laboエリアに隣接する軽作業スペース。作業高さにあわせたテーブルや工具を載せたワゴンを備え、実際のワークやサンプルを扱いながらテストの結果を確認できます。

■各種研究装置を備え、研究・テストを行う「Laboエリア」
高圧水バリ取り洗浄機、マシニングセンタ、ロボットバリ取り装置等を備え、スタッフが日々研究開発に取り組みます。

工場の一角にあるLaboエリアには、スギノマシン独自の技術を応用した研究装置を設置しています。

シンプルな内装と吹き抜けの天井で、難題へ挑戦するための没入感と解放感を併せ持つ空間です。

各装置周辺は、可動式の作業台、手元ライトや収納棚など、スタッフの作業性を考慮した工夫を盛り込んでいます。

■Laboエリアの研究設備について

高圧水バリ取り洗浄機「JCC 104HYBRID」高圧水バリ取り洗浄機「JCC 104HYBRID」

・50MPaの高圧洗浄

・BARRIQUAN※・エアを搭載 

 ・割出し5軸※4

ロボットバリ取り装置

・可搬質量の違う2つのロボットにBARRIQUAN※を搭載

小型マシニングセンタ「SC-V40a」小型マシニングセンタ「SC-V40a」

・コンパクトな#40マシニングセンタ

■株式会社スギノマシンについて
富山県に本社を置く、1936年創業の80年以上続く産業機械メーカーです。高圧水(ウォータージェット)による洗浄、切断装置をはじめとし、ドリリング・タッピングユニット、マシニングセンタ、特殊工具、原子力発電保守用機器、湿式・乾式微粒化装置、バイオマスナノファイバー素材、産業用ロボット等の開発、設計、製造、販売など、幅広い業種・商品を扱う企業です。  https://www.sugino.com/ 

■用語

※1)ウォータージェット
水を数MPa~数百MPaまで昇圧し、ノズルから噴射することで発生する、数十~数百m/秒の高速水噴流。

※2)フローティング加工
フローティング機構(スプリングや圧縮エアを用いて、工具を一定圧力でワークに押し付ける構造)を備えたアタッチメントによって工具をワーク形状にならわせて、ワークの削れ過ぎやバリの取り残しを防ぐ加工方法。

※3)パーティングライン
鋳造や射出成型などによって製作されたものに発生する出っ張り。

※4)割出し5軸
2つの回転軸を任意の角度に位置決めし、直線軸3軸で加工する方法。 1回の段取りで多面加工が可能。

■本件に関するお問い合わせ先

株式会社スギノマシン 精密機器事業本部 事業企画室

 

TEL:(0537)24-8181

 

 

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