現在、生成AIの処理はほとんどがクラウドコンピューティングを介して実行されています。しかし、MediaTekがLlama 2モデルを使用することにより、デバイス上で生成AIアプリケーションを直接実行することが可能になります。これにより、シームレスなサービス、プライバシーの向上、セキュリティと信頼性の向上、遅延の低減、通信が困難な地域での作業、運用コストの削減など、開発者とユーザーに多数のメリットがもたらされます。
エッジデバイスメーカーがオンデバイス生成AI技術を実際に活かすためには、コンピューティング能力が高く消費電力が低いAIプロセッサに加え、高速で信頼性の高いネットワーク接続機能を適用して、コンピューティング機能を強化する必要があります。現在出荷されているすべてのMediaTek製5Gスマートフォン向けSoCには、AIノイズ除去、AI超解像、AI MEMC(動き予測/動き補正)など、さまざまな生成AI機能を実行するように設計されたAPUが搭載されています。
さらに、今年後半に発表する予定のMediaTek次世代フラッグシップチップセットは、Llama 2を実行するために最適化されたソフトウェアスタックに加え、Transformerバックボーンアクセラレーションを実装してアップグレードしたAPUを搭載し、実装時の面積とDRAM帯域幅の使用を削減し、LLMとAIGCの性能を一段と強化します。こうした高度化により、オンデバイス生成AIを短期間で試作できるようになります。
MediaTekコーポレートシニアバイスプレジデント兼無線通信事業部ジェネラルマネージャーのJC Hsuは次のように述べています。「デジタルトランスフォーメーションにおける顕著なトレンドとして、生成AIが急速に普及しています。当社のビジョンは、Llama 2の開発者とユーザーのコミュニティに対して、AI分野で最大限に革新するために必要なツールを提供することです。Metaとの提携によって、エッジにおいてこれまでよりはるかに優れた機能を備えたハードウェアとソフトウェアを提供することができるようになりました。」
MediaTekは、年末までに市場に投入する予定の次世代フラグシップSoC搭載スマートフォンにおいて、Llama 2ベースのAIアプリケーションが利用可能になることを予想しています。
MediaTek Inc.について
MediaTek Inc.(台湾証券取引所:2454)は、その製品が年間約20億台のコネクテッドデバイスに採用されているグローバルファブレス半導体メーカーです。モバイル、ホームエンターテイメント、コネクティビティ、およびIoT製品向けの革新的なシステムオンチップ(SoC)の開発で市場をリードしています。イノベーションに対する積極的な取り組みにより、電力効率に優れたモバイルテクノロジーや自動車用ソリューション、高度なマルチメディアソリューションを含む主要テクノロジー分野で市場を牽引する地位を確立しています。それらの技術はスマートフォン、タブレット、デジタルテレビ、5G、音声アシスタントデバイス(VAD)、ウェアラブル端末など幅広い製品に活用されています。MediaTek は、スマートテクノロジーを通じて、人々が視野を広げ、容易に目標を達成できるようサポートを行っていきます。世界のブランド企業と協業して、優れたテクノロジーを誰もが利用できるようにすることを、企業活動の原動力としています。詳しくは弊社HPをご覧ください。https://www.mediatek.jp/