News Release
NTTドコモ、顧客情報管理システム「ALADIN」の開発効率向上にOracle Cloud Infrastructureを採用
OCIでのクラウド化およびOracle Container Engine for Kubernetesを活用したコンテナ化により、サービス品質およびデリバリー・スピード向上に貢献
2022年4月4日
日本オラクル株式会社(本社:東京都港区、取締役 執行役 社長:三澤 智光)は本日、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井伊 基之)が、全国のドコモショップ、ドコモオンラインショップ、ドコモインフォメーションセンター等を連携した顧客情報管理システムALADIN(アラジン)の開発環境を「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で構築し、2022年2月より稼働開始したことを発表します。クラウド化およびコンテナ化により開発および運用効率の向上を図りながら、コスト最適化を実現しています。また、NTTドコモは、サ-ビス品質や安定性の維持に不可欠なデータベース習熟訓練環境においても「OCI」上の「Oracle Database Cloud Service」を活用し、コスト最適化および運用負荷の軽減を図っています。
全国で8,300万以上の携帯電話契約数を有するNTTドコモは、顧客情報入力から与信チェック、電話番号払い出しなど、契約と販売に関するあらゆる業務を担う顧客情報管理システムALADINの基幹データベース基盤として「Oracle Database」を、アプリケーション実行基盤として「Oracle WebLogic Server」を採用しています。管理対象となる顧客情報が、従来の携帯電話契約者だけでなくdカード、ドコモ光、ドコモでんきを含むdポイントクラブ会員全般へと拡大するに伴い、管理する情報は急速に増加し、チャットボット、スマートデバイスなど新たな顧客とのタッチポイントも多様化しています。同社は、今後さらなる顧客事業拡大に対応し、より優れたサービス品質および迅速なサービス・デリバリーを実現するため、ALADINの開発環境のクラウド化によるモダナイゼーションを推進しています。その一環として、これまでオンプレミス環境にあった約300名の開発者が利用する開発環境を「OCI」で構築しました。
NTTドコモは、新たな開発環境において、開発者に各1環境提供しながら、開発業務のピーク時と閑散期で柔軟にリソースを増減することでコストの最適化を実現するため、パブリック・クラウドの活用を決定しました。また、昨今のKubernetes活用サービスの増加に伴い、今後の商用環境移行時の最新技術の適用、開発者の環境準備、利用、廃棄の負荷解消、運用管理の自動化などのメリットを享受するため、コンテナ化の活用も検討していました。これらの要件のもと、複数のパブリック・クラウドを検討した結果、NTTドコモでは「Oracle WebLogic Server」や「Oracle Database」の信頼性と実績、「OCI」の優れたコスト・パフォーマンスを評価し、「Oracle Container Engines for Kubernetes(OKE)」などの多様なクラウド・サービスが利用可能な「OCI」を採用しています。「OKE」は、エンタープライズ・クラスのKubernetesをフルマネージドサービスで提供し、構築から運用までのエンドツーエンドで容易なコンテナ・ライフサイクル管理を実現します。
NTTドコモでは、「OCI」上に構築された開発環境により、開発者が利用するリソースの制約やアプリケーション開発者の環境設定の作業負担など、従来のオンプレミス環境での課題を解消し、必要なときに必要な開発リソースを容易に利用可能な環境を実現しながら、コスト最適化を実現しています。今後はCI/CDツールを活用し、運用管理の自動化にも取り組んでいきます。
また、NTTドコモでは、障害発生時のALADINのデータベース習熟訓練用途に利用していたオンプレミスの「Oracle Database」環境も「OCI」へ移行しています。この環境は、データベース運用管理者が専用端末から利用し、商用環境と同様の環境で障害状況を再現するなど、データベースの復旧手順の検証や訓練を行っています。習熟訓練という特定の時期および用途で利用する環境でありながら、オンプレミス環境での運用であったためハードウェアの改修、運用、保守などにコストおよび負荷がかかっていました。「Oracle Database Cloud」に移行することで、「Oracle Database Real Application Clusters(RAC)」 環境を訓練実施時だけ従量課金で利用可能となり、オンプレミスと変わらない環境利用を継続しながら、運用管理の負荷を軽減し、トータルコストを約95%削減しています。
今後、NTTドコモでは、現在オンプレミス環境にある運用テスト環境のクラウド移行も検討しており、柔軟なテスト環境の立ち上げによるテスト効率化やアプリ品質向上に向けた取り組みを進めていきます。将来的な開発環境のフルクラウド化に向け「OCI」を活用していく予定です。
お客様のコメント
「NTTドコモの顧客接点を担うミッションクリティカルなシステムであるALADINを安定稼働させ、優れた顧客体験を提供していくことが開発における重要なミッションです。今回の開発環境の刷新ではより質の高いサービスを迅速に提供できる環境を目指し、開発、コーディング、結合テストまで行う開発環境を『OCI』上に構築し、『OKE』を活用したコンテナ化や自動化により開発者の生産性や開発の効率化を図りながら、コストの最適化を実現しています。構築の際にもOCI Free Tierで利用できる多彩な『OCI』のサービスを活用することができ、安価かつ短期間で環境を構築することができました。将来的な商用環境の移行に向けて、開発環境のフルクラウド化も検討しており、『OCI』で提供されるサービスやテクノロジーの進化に大いに期待しています。」
株式会社NTTドコモ 情報システム部 経営基盤担当テクニカルアーキテクト 担当課長 吉田 孔昭 氏
同社 情報システム部 経営基盤担当テクニカルアーキテクト 主査 大井 深季 氏
オラクルのコメント
「世界中の企業が、変化する市場や規制の状況、顧客の要望に対応するため、ビジネスプロセスの近代化を続けています。その成功の鍵を握るのは、NTTドコモの心臓部とも言えるALADINのような、企業の根幹に位置する豊富な顧客情報です。情報を迅速、安全、確実に活用し、より迅速なソフトウェア開発を支援する開発環境を持つことは、競争優位の源泉となります。『OCI』を通じて、開発者が人工知能や機械学習などの革新的なテクノロジーを活用した次世代のアプリケーションの構築、展開、管理可能な幅広いサービスを提供し、企業のビジネス変革を支援します。」
日本オラクル株式会社 取締役 執行役 社長 三澤 智光
参考リンク
株式会社NTTドコモ https://www.docomo.ne.jp/
Oracle Cloud Infrastructure https://www.oracle.com/jp/cloud/
Oracle Container Engine for Kubernetes(OKE) https://www.oracle.com/jp/cloud-native/container-engine-kubernetes/
Oracle Database Cloud Service https://www.oracle.com/jp/database/
日本オラクルについて
私たちのミッションは、人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことです。データ・ドリブンなアプローチにより情報価値を最大化するクラウド・サービス、それらの利用を支援する各種サービスを提供しています。オラクル・コーポレーションの日本法人。東証スタンダード市場上場(証券コード:4716)。URL http://www.oracle.com/jp
オラクルについて
オラクルは、広範かつ統合されたアプリケーション群に加え、セキュリティを備えた自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudとして提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、https://www.oracle.com/index.html をご覧ください。
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