概要
株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:柴原 節男、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)は、プロセスマイニングツール「Celonis Execution Management System(以下、Celonis EMS)」を活用し、お客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX(*1))推進を支援する「プロセスマイニングによる業務DX支援サービス」の提供を本日から開始します。
日立システムズでは、自社の社内システムにてプロセスマイニングを活用した業務改善を進めており、販売系プロセスにおける自動化率の向上と業務コストの削減に取り組んでいます。また、自社導入に加えてお客さまの本番データを用いた価値検証・PoCを実施してきました。「プロセスマイニングによる業務DX支援サービス」では、これらの取り組みから得たプロセスマイニングのナレッジをベースに、お客さまのニーズ・それぞれの活用シーンに合わせた5つのメニューを整備しました。本サービスの特長は、業務プロセスの可視化に必要となる、煩雑なデータの準備の段階から、日立システムズのCelonis社認定エンジニアによる全面的なサポート体制です。
日立システムズは本サービスを通じて、お客さまの業務プロセス改善・DX推進をワンストップで支援し、2025年度までに40億円の売り上げをめざします。
(*1) デジタルトランスフォーメーション(DX):デジタル技術を活用した業務改革。
図1 お客さまの適用シーンに応じたプロセスマイニング適用サービス
背景
日本の多くの企業では、人手不足解消や働き方改革、生産性向上などを目的とした業務のデジタル化が進展しています。また、「2025年の崖」の対応に向けた、レガシーシステムに対するシステム刷新・モダナイゼーション対応が大きな課題となっています。今後、企業がこれらの課題やデジタル化の取り組みをさらに加速させるためには、個別業務の最適化だけではなく、業務プロセス全体を客観的・定量的に把握し、業務全体の変革を実行していくことが必要です。
そこで、さまざまな業務システムから生成されるイベントデータから業務プロセスを可視化し、業務プロセス全体の把握や分析、改善ポイントの特定を迅速に行うことが可能な新たな手法「プロセスマイニング」に注目が集まっています。
プロセスマイニングに必要なイベントデータの準備や、社内のプロセスマイニング技術者の育成などを行うためにはプロセスマイニングに関する前提知識が必要です。特にイベントデータの準備(データ前処理)は、プロセスマイニングツール導入から効果算出にかかる全体工数の約80%を費やすと言われるほど重要な作業であり、対象システムの知見以外に、プロセスマイニングの技術的な知見が求められます。しかしながら、プロセスマイニングツールを提供するベンダーのほとんどが、データ準備作業をお客さま作業と位置付けているのが現状です。
詳細
「Celonis EMS」は、さまざまな業務プロセスのログデータを用いて、業務の発生回数や業務間のリードタイム、逸脱している業務パターンを可視化します。主要な業務の流れを動線で確認できるため、手戻りとなっている箇所や繰り返し作業が発生している部分を簡単に抽出することが可能となり、お客さまは業務のデジタル化を推進することができます。
図2 「Celonis EMS」による業務プロセス可視化イメージ
日立システムズは「Celonis EMS」について、2019年7月からの価値検証(PoV:Proof of Value)を経て、昨年7月に社内システムに本格導入しました(日本国内契約4社目)。社内のSAPをベースとした販売管理業務および、自社開発したフィールド作業支援システムにおける業務改善に適用し、業務プロセスを総合的に把握することで、業務における品質向上やリードタイムの最適化、コンプライアンス強化など業務全体の改善を加速させています。さらに、昨年12月にCelonis(共同創業者 兼 共同CEO:アレクサンダー・リンケ、本社:ドイツ連邦共和国・バイエルン州、アメリカ合衆国・ニューヨーク州)の日本法人であるCelonis株式会社(代表取締役社長:小林 裕亨、本社:東京都千代田区)とリセラー契約を締結し、お客さまへの提案活動、本番データを用いた価値検証・PoCを実施してきました。
これらの取り組みから蓄積されたノウハウ・ナレッジを基に、プロセスマイニングを活用したDX改革を効率的・効果的に実行したいというお客さまからのニーズをくみ取り、今回、エンドユーザー向けに4サービス、コンサルティング企業向けに1サービスの計5サービスを整備しました。
エンドユーザー向けサービスでは、「Celonis EMS」の適用可否を無償で検証する作業から、他社が敬遠しがちなイベントデータの準備作業やシステム刷新時の業務分析作業、年間ライセンスの導入支援作業、導入後の運用支援まで、お客さまのDX推進におけるあらゆるシーンでのプロセスマイニング活用を日立システムズがワンストップでサポートします。
また、コンサルティング企業向けのサービスでは、コンサルティング企業のサービスと組み合わせてお客さまの業務効率化やシステム刷新を支援するコンサルティング業務支援サービスを提供します。従来のサービスに、データという事実に基づく業務プロセスの可視化を加えることで、ステークホルダーとの合意形成に有効活用できるサービスです。
今後、日立システムズは、本サービスをSAPのS/4HANA移行をはじめする、レガシーシステムの刷新やモダナイゼーションをミッションとして抱えている企業向けに提供することで、お客さまの業務プロセス改善・DX推進をワンストップで支援し、2025年度までに40億円の売り上げをめざします。
なお、本サービス提供の開始にあたり、Celonis社から以下のコメントをいただいています。
業務プロセス改善・DX推進を着実に実践的に進めるにあたり、プロセスマイニングは非常に強力な支援ツールになると確信しております。日立システムズはこれまで、Celonisを活用した自社の業務改革に取り組まれ、日本のCelonisパートナーの中ではトップレベルのプロセスマイニングのノウハウを持つ優秀な「Celonis社認定エンジニア」を育成されています。日本企業のビジネスやシステムに精通され、素晴らしい実績を誇る日立システムズの今回のサービス開始を私どもCelonis日本法人は大変心強く思っております。これから日立システムズと共にプロセスマイニングの活性化に尽力し、日本の明るい未来の発展に貢献していきたいと考えております。
Celonis株式会社 代表取締役社長 小林 裕亨
■「プロセスマイニングによる業務DX支援サービス」概要
① 適用可否検証サービス(無償)
SAPなどのERPパッケージシステムや、スクラッチ開発システム、レガシーシステムなどお客さまシステムへの「Celonis EMS」の適用可否を無償で検証します。特にシステムによってイベントデータの構造が異なるスクラッチ開発システムについては、日立システムズで蓄積したスクラッチ開発システムへの適用ノウハウを活用してお客さまシステムのイベントデータを調査し、どのように整理を行えばプロセスマイニングによる分析が可能となるかを提案します。
② スポット業務分析サービス(個別見積もり)
プロセスマイニングを活用した業務改善の費用対効果を検証したいお客さまや、期や年度ごとなど定期的な分析を希望するお客さま、システム刷新に向けた上流工程で活用したいお客さまを対象としたスポットでの業務分析サービスです。価値検証を希望するお客さまは、1つのプロセス(1~2システム)を対象として分析を実施することで、本番導入時と同様の業務改善のサイクルを体験できます。
③ 年間ライセンス導入支援サービス(個別見積もり)
お客さまの導入目的や業務の分析内容に応じて、年間ライセンスの最適なプランを提案します。また、お客さまのソースシステムとプロセスマイニングツールをリアルタイムに接続する環境の構築を支援します。
④ 運用支援サービス(個別見積もり・トレーニングサービス有)
本格導入後の継続的なプロセスマイニング推進体制の確立を支援します。業務改善分析支援では、年間ライセンス導入後の1サイクル目(期間3か月が目安)は日立システムズが主体となり手厚くサポートし、2~3サイクル目で徐々に介入度を下げながら伴走、最終的にはお客さまが主体となる運用をめざします。
⑤ コンサルティング業務支援サービス(コンサルティング企業向け)(個別見積もり)
各コンサルティング企業のサービス(IT戦略・ITマネジメント・DXなど)に、日立システムズのサービス(現状業務の把握:業務フロー可視化、件数、所要時間などの算出など)を組み合わせることで、デジタルツインによる現状把握、エンドユーザーとの合意形成に有効活用いただけるサービスです。
■日立システムズの強み
■関連するニュースリリースについて
プロセスマイニング業界でのトップベンダーであるCelonis社とリセラー契約を締結
詳細は https://www.hitachi-systems.com/news/2020/20201217.html をご覧ください。
■「プロセスマイニングによる業務DX支援サービス」のWebサイト
https://www.hitachi-systems.com/solution/s0310/celonis/index.html
■「Celonis EMS」について
市場をリードするCelonisのプロセスマイニング エンジンをベースに構築されています。Celonis Execution Apps、Celonis Execution Instruments、Celonis Studio、プラットフォーム機能などの新セットを備えており、分析から戦略、計画、管理、アクション、自動化まで、業務実行管理のあらゆる側面を管理できるように設計されています。
詳細は https://www.celonis.com/jp/company/ をご覧ください。
■日立システムズについて
株式会社日立システムズは、幅広い規模・業種システムの構築と、データセンター、ネットワークやセキュリティの運用・監視センター、コンタクトセンター、全国約300か所のサービス拠点などの多彩なサービスインフラを生かしたシステム運用・監視・保守が強みのITサービス企業です。多彩な「人財」と先進の情報技術を組み合わせた独自のサービスによってお客さまのデジタライゼーションに貢献し、新たな価値創造に共に取り組み、お客さまからすべてを任せていただけるグローバルサービスカンパニーをめざします。
詳細は https://www.hitachi-systems.com/ をご覧ください。
■お客さまからのお問い合わせ先
株式会社日立システムズ お問い合わせWebフォーム
https://www.hitachi-systems.com/form/contactus.html
以上
*Celonis、Celonis製品およびサービス名は独Celonis SE社の商標または登録商標です。
*記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。