超小型化を実現、コネクテッドカーやドローンなどに搭載可能に
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背景/概要
日本国内におけるモバイルネットワーク技術の中心がLTEから5Gに移行しつつあります。5Gは多数同時接続が可能とされており、5G対応スマートフォンだけでなく、コネクテッドカー、ドローン、IoTセンサーなどの新しいデバイスがモバイルネットワークに大量につながることができます。新しいデバイスを応用して、エリアを限定して展開するローカル 5Gの導入事例も全国に増えています。このような5Gの拡がりと同時に、エンドユーザーにおいては「電波が見えない」「電波は見えるけど通信がつながらない」といった問題が発生しており、5G/ローカル 5G事業者においてはその対応が求められています。事業者のネットワークオペレーションセンターで補捉しきれないこともしばしばあり、エンドユーザー観点での電波や問題事象の可視化、およびその情報をセンターに集約することは、5G/ローカル 5G事業者にとって急務の課題となっています。
メリテック社の「Sigma」シリーズは、日本で開発された、LTE/5G/ローカル 5Gモバイルネットワークのモニター製品で、スマートフォンやデバイスの実機と基地局の間の通信ログを収集し、無線品質やスループットなどを観測して電波や問題事象を可視化します。無線のスペック、挙動、アンテナ利得などは端末により異なり、それにより無線品質やスループットも変動するため、エンドユーザーが実際に使用するスマートフォンやデバイスによる観測は非常に重要とされ、国内外の通信事業者に幅広く使われています。
「Sigma-One」は「Sigma」シリーズの最新モデルで、超小型PCに実デバイスをUSB接続し、LTE/5G/ローカル 5Gなどの無線データを収集します。スマートフォンやルーター(CPE)、TCU(テレマティクス制御ユニット)などさまざまな実デバイスに接続できるため、ネットワークの無線品質測定をはじめ、場所の制約により従来は難しかったコネクテッドカーと基地局間の通信モニターなども可能になります。制御は全てCentra-SD(※1)と連携し実行するため、遠隔無人で測定、モニタリングが行えます。
「Interop Tokyo 2023」においては、会場内の複数の場所に「Sigma-One」を設置し、ShowNet(※2) 5Gネットワークの無線品質やスループットをリアルタイムに観測します。「Sigma-One」の制御はCentra-SDから遠隔無人で行われます。観測データはCentra-SDに集約され、ShowNetのオペレーションセンターからエンドユーザー観点での5Gネットワーク品質をライブモニタリングすることができます。
東陽テクニカは、LTE/5G/ローカル 5Gのモバイルネットワーク品質を“はかる”技術を通して、大容量かつ安定したモバイル通信を支え、適用領域が拡がるモバイル産業の発展に貢献します。
※1 メリテック社のサーバソフトウェア製品で、Sigmaをリモート制御・監視し観測データを収集する。
※2 Interop Tokyo会場内で、出展社から提供された1500台以上の製品・サービスと約400名ものトップエンジニア達が集結して構築するネットワークプロジェクト。
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主な特長
・超小型設計。製品本体のサイズ:13 x 8 x 2cm、重量:230g。
・豊富な対応デバイス。(Qualcommポートの開放が必要)
・無線情報(RSRP/RSRQ/SINRなど)のデータ収集が可能。
・リモートでの完全自動化測定に対応。FTP/Ping/iPerfテストなどを標準で実装。
・モバイルバッテリー駆動。ACアダプター/USB PD充電器での駆動も可能。
製品ページ:https://www.toyo.co.jp/ict/products/detail/sigma.html
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主な適用事例
セルラーV2X コネクテッドカーに搭載したTCU(テレマティクス制御ユニット)の通信評価
狭い場所や上空での5G/ローカル 5G無線測定(車内やドローンに搭載した測定など)
人が頻繁に立ち入れない場所での無人測定 (工場、公共施設、山間地など)
モバイルネットワーク測定・監視(FA用途の無線測定・監視、ラボテストなど)
(セルラーV2Xへの適用事例)
(5G/ローカル 5Gへの適用事例)
【 「Interop Tokyo 2023」出展概要 】
開催展名:Interop Tokyo 2023
会期:6月14日(水)~6月16日(金) 10:00~18:00 ※最終日のみ17:00まで
会場:幕張メッセ(国際展示場)/ブース番号:5P04
出展製品詳細:https://www.toyo.co.jp/ict/seminar/detail/Interop_Tokyo2023.html
【 新製品販売にあたり両社からのコメント 】
・株式会社メリテック 代表取締役 ハリッシュ・サチデバ氏
測定・解析ツール「Sigma」シリーズの最新製品である「Sigma-One」を発売できることを大変嬉しく思います。 LTE/5Gの無線品質測定をはじめ、コネクテッドカーの通信評価、ファクトリーオートメーションで利用されるネットワークの測定・監視など、さまざまな分野においてお客様の製品/サービス品質向上に貢献できることを確信しております。「Sigma-One」が無線ネットワークテストの新しい時代を切り開くような製品になることを期待しております。
・株式会社東陽テクニカ 執行役員 情報通信システムソリューション部統括部長 川内 正彦
東陽テクニカが注力するモバイルネットワーク市場に向けて、既存のメリテック様の商品に加えて、「Sigma-One」を新たに販売できることを大変嬉しく思います。モバイルネットワークモニターとして定評がある「Sigma」シリーズの各種機能を超小型で実現した「Sigma-One」は、従来は観測が難しかった新しいモバイル領域で活躍、お役立ていただける製品と確信しております。東陽テクニカは今後もメリテック様との協業を推進し、LTE/5G/ローカル5Gで新ビジネスを展開される企業様を支援すべく、新しいソリューションを提供してまいります。
<株式会社メリテックについて>
メリテック社は、2003年創立以来、無線電波の測定・解析ツールの開発・販売を行ってきた、モバイルネットワークモニタリングツールおよびパフォーマンス最適化ソリューションツールのリーディングカンパニーです。5G、LTE、 WCDMA、HSPA、GSM/GPRS、Wi-Fiネットワークパフォーマンスを監視・最適化する革新的なツール群を提供しています。「Your efficiency, Our Passion」をスローガンに、モバイルサービスの品質向上と成長、発展に貢献しています。東陽テクニカは同社の販売代理店です。
株式会社メリテック Web サイト:https://meritech.co.jp
<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは、1953年の創立以来、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新に貢献してまいりました。その事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンス、セキュリティなど多岐にわたります。5G通信の普及、クリーンエネルギーや自動運転車の開発などトレンド分野への最新の技術提供に加え、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力し、国内外で事業を拡大しています。最新ソリューションの提供を通して、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります
株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/