『TX SCARA』は、TXの技術特性を生かし、バックヤードの狭いスペースで稼働可能な水平多関節型のロボットで、通常時は『Gordon』が自動制御します。陳列失敗時にはTelexistence(遠隔操作)モードへ移行し、インターネットを通じて人が遠隔から直接的、直感的にロボットを制御し迅速に復旧を行うことが可能です。また、『Gordon』は店舗の過去の販売実績データを学習することで、時間帯や季節により変化する商品の売れ筋に合わせ、『TX SCARA』による陳列タイミングを最適化します。こうしたロボティクス・AI技術の活用により、一日約1,000本行われている飲料陳列業務を、ロボットが人に代わって24時間担います。一方、店舗スタッフは売り場を離れることなく、接客業務など、より付加価値の高い業務に取り組むことができます。
<主な特長>
- 『TX SCARA』:CVSバックヤードでの飲料陳列にロボットの関節軸構成やリンク長などを最適化した自社開発ロボット。既存店舗のバックヤード環境を変更せずに導入可能なハードウェアを実現。
- 『Gordon』:TX独自のAIシステムであり、セルフ・スキャニング・モジュールにより冷蔵ケースの商品充足状況や陳列すべき飲料の把持点などを認識し、把持から陳列までのエンドエフェクタの経路計画生成を行う。
- Telexistenceモード(遠隔操作モード):想定していない環境変化が原因でAIによる陳列が失敗した場合、Gordonモード(自動制御モード)からTelexistenceモードへ移行。インターネットを通じた人による直接的なロボット制御で陳列業務を100%成立させることが可能。いわゆるAIの「フレーム問題」(注)、人工知能の不完全な部分をTXの遠隔操作技術で補完している。
注:現状の人工知能は、与えられた課題を解くに際し、現実世界で起こり得る無数の事象から、今行うべき判断や動作に必要な情報のみを『枠(フレーム)』で囲うように抽出し、それ以外の情報を無視して試行する。しかし、何が自身にとって必要な情報で、何が自身にとって無視してもよい情報であるのかを自律的に判断することができないため、抽出に無限の時間がかかってしまうという問題。
ファミリーマートとTXは、「ファミリーマート経済産業省店」の運営を通じて、作業工数が大きく、人間への負担も重い商品陳列業務を自動化・遠隔化することで、インターネットがあれば安全に、どこからでも店舗スタッフがロボットを通じて就労可能な、新しい店舗オペレーション構築を実現します。同時に、ロボットを導入しやすい環境(ロボットフレンドリーな環境)を継続的に模索することにより、生産性の向上や非接触化、お客さまの利便性向上を加速してまいります。
この取り組みは、ファミリーマートが2019年11月より参画する経済産業省における「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」の一環でもあり、ロボットを活用した店舗の省人化や新しい店舗オペレーション基盤の構築を目指しています。
ファミリーマートは、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」のもと、地域に寄り添い、お客さま一人ひとりと家族のようにつながりながら、便利の先にある、なくてはならない場所を目指してまいります。
TXは、ロボットを変え、構造を変え、世界を変える、をミッションとし、遠隔操作・人工知能ロボットの開発およびそれらを使用した事業を展開するロボティクス企業です。世界中から高い専門性をもつ人材が集まり、ハードウェア・ソフトウェア、AI、遠隔操作技術を一貫して自社で開発しています。ロボットの活躍の場を工場の外にまで広げ、労働に関わる社会の基本的なあり方を変革することを目指します。なお、本件の開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実施しております。
■店舗概要
名称: ファミリーマート経済産業省店
所在地: 東京都千代田区霞ヶ関1丁目3番1号 経済産業省庁舎内
営業時間: 7:00 〜 24:00
<Telexistence株式会社>
所在地 :中央区晴海4-7-4 Cross Dock Harumi 1F
代表者 :代表取締役 兼 最高経営責任者 富岡 仁
設立年月日 :2017年1月23日
URL :https://tx-inc.com
Telexistence, Remote-Controlled Robotics Innovator – Engineering Team Interview
現在募集中のポジション
https://tx-inc.com/ja/career-jp/
<株式会社ファミリーマート>
所在地: 東京都港区芝浦3丁目1番21号
代表者: 代表取締役社長 細見 研介
設立年月日: 1981年9月1日
会社HP: https://www.family.co.jp