モジュールで構成する電源システムを用いた分散型エッジインフラにより演算処理とデータ転送を高速化
AIや機械学習、IoTの持つ可能性を最大限に引き出すためには、エッジコンピューティングが不可欠です。これらの技術は、自動運転、スマートビルディング、ロボティクス、サプライチェーン管理、ヘルスケアなど、私たちの生活の隅々にまで浸透しています。
エッジコンピューティングで変わる
エッジコンピューティングにより、ミドルレイヤのデータ伝送がより高速にできるため、デバイスに不可欠なリアルタイム応答が可能になります。エッジコンピューティングではクラウド上のAIに頼らず、ローカルでAIをサポートできるため、サービスやアプリケーションを飛躍的に向上できます。また演算処理をエッジからクラウドに移すタイミングを素早く決めることができます。
HIRO社はオランダのテクノロジーベンチャー企業で、インテリジェントエッジのサービスを提供する、高性能で信頼性の高いエッジインフラ(ハードウェアおよびソフトウェア)を開発しています。ハンガリーの革新的なハードウェアデザイン会社PCB Design社と協働し、耐久性が高く高性能な通信・演算処理ソリューションの開発に成功しました。誕生したのは、拡張性が高くコンパクトで過酷な屋外の環境でも稼動するエッジコンピューティングリソースである、エッジマイクロデータセンター(EMDC)です。EMDCには、CPU、GPU、FPGA、NVMe(不揮発性メモリ・エクスプレス)メディアなどを、種類や数を問わず組み合わせることができ、1.5kWの靴箱サイズから500kWのコンテナ型エッジ設備まで提供できます。これらのプラットフォームは完全なソリッドステートでモジュール構成になっており、メンテナンスをほとんど必要とせず、冷却のためのエネルギーも必要ありません。
地域社会への貢献
HIROが特に力を注いでいるのは病院の支援と、プライバシーが守られた環境でのビッグデータ処理およびAIモデルの構築です。病院では、心疾患、がん、腫瘍、その他の複雑な疾患の発見と治療に役立つAIモデルを構築するためには、大規模なデータセットを、病院の施設外へ転送する必要があります。HIROは、別の病院のデータを使ってそれらのモデルを構築する際に、データを病院の外へ移動したり公開したりしない、経済的なインフラを開発しています。
さらにHIROは、1600万ユーロのBRAINEプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトではヨーロッパ各地(オランダ、イタリア、ハンガリー)に4つの試験環境が構築されており、独自のアプリケーションが動いています。
· ヘルスケアサポート付き生活支援
· ハイパーコネクテッドスマートシティ
· インダストリー4.0工場におけるロボティクス
· インダストリー4.0のサプライチェーン
高い電力密度だから実現できる、スケーラブルで高効率のプラットフォーム
配電電圧を12VDCから48VDCに変えることで、電力変換機能は極めてコンパクトで高効率になります。電圧を高くすることで、電力供給ネットワーク(PDN)全体のI²R損失を減らすことができます。Vicorの高電力密度・高効率の電源モジュールDCMを使うことで、HIROが設計するEMDCの、ソリッドステートで放熱に優れ、コンパクトでエネルギー効率が高いという特徴が実現します。
Vicorの電源モジュールDCMにより、48Vから12Vへ変換します。DCMの体積あたりの電力密度は世界最高レベルであり、様々な冷却方法に柔軟に対応します。この柔軟性のため、DCMは再生可能エネルギーの用途にも適しています。
Vicorの電源モジュールの革新的なパッケージングやトポロジ、アーキテクチャにより、データセンターに不可欠な、高い電力効率と電力密度の大幅な向上が実現します。
欧州でもっとエッジを拡大
スマート社会を継続的に進化させることは、極めて大きな仕事です。エッジコンピューティングは、今までより高速な情報処理を実現する技術であり、新しいアイデアを実現するための重要な鍵となります。HIRO、Vicor、PCB Designの3社は、このスマート化を推進しており、技術のブレイクスルーのために協働しています。このパートナーシップにより、スマートシティ、スマートホスピタル、スマートマニュファクチャリング&ロボティクス、スマートサプライチェーンなどの分野は、大きく進化するでしょう。
■ Vicorウェブサイトからもプレスリリースをご覧いただけます。
https://www.vicorpower.com/ja-jp/press-room/hiro
■ HIRO社のエッジコンピューティング・ソリューションについて詳しく解説 (Vicorウェブサイト)
https://www.vicorpower.com/ja-jp/resource-library/case-studies/hiro
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能モジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。詳しくは、www.vicorpower.com/ja-jp をご参照ください。
Vicorは、Vicor Corporationの登録商標です。
NVMe® は、NVM Express,Inc の登録商標です。
HIRO社について
HIRO社は、ビッグデータやAI処理のサービスを安全かつプライバシーを確保しながら提供することができるエッジ環境を開発しています。これらのエッジ環境は、スマートシティ(ビル、インフラ、病院、物流拠点、交通、輸送)、スマートファクトリー(サイバーフィジカルシステム、工場フロア、サプライチェーン、ロボティクス、デジタルツイン)などを構成します。HIRO社は、エネルギー効率の高い、異種混合の高密度マイクロ/ナノデータセンターのハードウェア(エッジマイクロデータセンター)と、分散型フェデレーションエッジクラウドソフトウェアを開発しています。
Vicor KK ソーシャルメディア:
Twitter: @VicorKK