● バンカーの生産性、コラボレーション、コンプライアンス遵守を強く促進
● AIベースのリサーチツールにより、重要な顧客と見込み顧客の関係性を可視化
グローバルでCRM(顧客関係管理)をリードするセールスフォース・ドットコム(日本法人:株式会社セールスフォース・ドットコム、本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:小出 伸一)は本日、バンカーやディールチームによる顧客関係強化、単一のプラットフォームでのディール管理、およびディール関連の協力や機密情報の共有におけるコンプライアンス遵守をサポートする新機能「Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloud」を発表しました。
パンデミックにより各業界における変革の必要性が高まっており、金融業界も例外ではありません。その中で、インベストメントバンカーは、顧客やディール情報へのアクセスをサポートし、業務効率化、見込み顧客や既存顧客との関係強化、ディール成約の増加を促進するデジタルツールを必要としています。加えて、顧客に関する膨大な情報を一つのプラットフォーム上で一元的に管理し、顧客情報を不適切に取り扱うことを未然に防ぎ、業務の品質を向上させることも求められています。
また、コンプライアンス責任者は、重要な非公開情報等の機密情報の管理を含め、規制が複雑化した投資銀行の業務環境に対応するほか、利益相反を評価しています。機密情報の管理を誤ったり利益相反の発見が遅れた場合、投資銀行は評判の失墜、業務の混乱、監督機関による処罰および収益の喪失等の損害を被る可能性があります。
セールスフォース・インダストリーズのEVP兼GMのジュジャー・シン(Jujhar Singh)は次のように述べています。「バンカーは、顧客との関係を深め紹介を促進し、データに基づいた顧客インサイトにより新規ビジネスを開拓する新しい方法を求めています。Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloudにより、バンカーは人工知能を活用して顧客との関係を構築・深化させ、主要顧客を管理できるようになります。Salesforceの新機能により、バンカーはディールのパイプライン拡充を加速し、あらゆるステージでコンプライアンス遵守のために機密情報をより適切に管理することで、顧客の信頼できるアドバイザーとして時間を費やすことができます」
Evercoreの投資銀行部門の最高執行責任者であるティム・ラロンド(Tim LaLonde)氏は、次のように述べています。「当社は競争の激しいダイナミックな業界で業務を行っており、バンカーは迅速に適切な情報を入手できることが必要です。当社ではアドバイザリービジネスの中枢機能としてSalesforce CRMを設計・導入して、お客様に重要かつタイムリーなアドバイスを提供していきます」
Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloudについて
Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloudにより、顧客ジャーニー全体をカバーする完成したエクスペリエンスを提供できるようになります。また、Tableau CRMやEinstein Relationship Insights(ERI)と新たに統合することで、コーポレート・投資銀行業務に特化したテクノロジーをバンカーに提供します。以下が詳細となります。
- バンカーの効率性と生産性の最大化:バンカーは、場所を問わず単一のプラットフォームからディールライフサイクル全体を管理し、ディールに関する活動や顧客とのやり取りを追跡できます。Salesforceのローコードツールを利用し、M&A(企業の買収・合併)、資本調達および企業再建に関わる取引執行プロセスを自動化できます。Tableau CRM for Financial Servicesによりディール分析が可能となり、好みのデバイスから過去の顧客情報や提案内容、議事録を一か所で確認し、ディールパイプラインや顧客とのやり取りを最適化できるようになります。
- AIベースのリサーチツールによる関係性の発見:ERIは、Financial Services Cloudに統合された新しい関係性発見ツールです。関連する繋がりを自動的にハイライトし、予期しない関係性を発見できます。例えば、バンカーが見込み顧客の紹介を得たい場合、ERIはウェブ上の非構造化データやテキストを調べて、見込み顧客が同じ非営利団体のアドバイザリーボードに所属していることなどバンカーとの繋がりを発見し、紹介の機会を得ることができます。
- 顧客エンゲージメントのコンプライアンス確保:バンカーは顧客やディールに関する機密情報が関係者以外に共有しないことで、コンプライアンスを遵守できます。例えば、機密のM&Aディールを抱えているバンカーは、関連株を取引している同僚にそのM&Aディールの情報を閲覧ができないようにできます。また、Salesforceソリューションで開始した顧客オンボーディングプロセスの進捗をパートナー製ソリューションで管理できます。
- 戦略的アドバンテージとしてのデータ利用:バンカーは抱えているディールに関わる情報にアクセスするために、7~8つのシステムにログインしなければなりません。今回発表された新機能により、内部のディールマンデート情報とS&P Global等の外部パートナーの市場データが統合された完全な顧客情報を確認できるようになります。S&P Globalの企業評価だけでなく、収益、従業員の給与およびその他の潜在的なリスク等の情報もすべてSalesforce内で確認できるため、複数のアプリケーションを往復する必要がなくなります。
Aite Groupのキャピタル・マーケット・インダストリーアナリストのスペンサー・ミンドリン(Spencer Mindlin)氏は次のように述べています。「今日のバンカーは、提案資料の準備、コールレポートの取得、ディールライフサイクルの管理、コンプライアンス遵守プロセスの把握のための情報収集に膨大な時間を費やしています。この問題に対処するために、銀行は自動化とAIを活用して、見込み顧客の管理、情報収集、取引管理、法務業務に関連するプロセスを改善する必要があります。これらの新機能は、バンカーは顧客とより多くの時間を過ごすことを可能にし、競争力を維持するための鍵となるでしょう」
大手金融機関がCorporate and Investment Banking for Financial Services Cloudを活用し、顧客エンゲージメントを強化しています。
- ニューヨークを拠点とするグローバルで有数の独立系投資銀行アドバイザリーファーム企業投資顧問会社であるEvercoreは、堅牢なテクノロジープラットフォームが自社のビジネスにもたらす価値を認識していました。Evercoreはバンカーが顧客情報に安全にアクセスできるように設計された一元化されたプラットフォームを構築するためにSalesforceを選択しました。Evercoreは、Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloudにより提供されるイノベーションの恩恵を受け、顧客関係のマッピング、社内コラボレーション、その他、バンカーにとってより適切でパーソナライズされた体験を提供する機能を利用できるようになります。
- 北米最大の銀行の一つであるTDは、戦略的テクノロジーロードマップの一環で、あらゆる部門でSalesforceを利用し、顧客向けに統一されたバンキングエクスペリエンスを実現しようとしています。TD Securitiesでは、Salesforceを活用した包括的CRMソリューションを導入し、顧客に優れた商品と信頼できるアドバイスを提供します。
- Moelis & Coは、企業、政府および資金拠出者に投資顧問サービスを提供する世界的な独立系投資銀行です。Salesforceにより、Moelis & Coはバンカーの業務プロセスを最適化することができます。モバイルファーストなアプリケーションにより、バンカーやディールチームは常に最新の顧客活動情報を取得でき、受動的に収集されたデータを活用し、効率的に顧客関係案を収集および評価することができます。このテクノロジーを利用することで、Moelisのバンカーは会社全体での顧客との関係性を詳しく可視化でき、顧客に対しては、連携が取れた統合された組織としてサービスを提供することができます。
Corporate and Investment Bankingを拡充するSalesforceのパートナーエコシステム
セールスフォース・ドットコムには、世界の金融機関向けに独自の専門機能とソリューションを提供する幅広いパートナーエコシステムがあります。S&P Global Market Intelligence、FenergoなどのISVパートナーは、Financial Services Cloudの価値を拡張および補完しています。また、コンサルティングパートナーであるKPMG、SilverlineおよびVASSは、コーポレートバンキングや投資銀行業務のエキスパートであり、個々の顧客向けにカスタマイズされた金融サービスソリューションを実現することができます。
Financial Services Cloudについて
世界No.1のCRMプラットフォーム上に構築されたFinancial Services Cloudは、金融サービス機関がチャネル、地域、そして全てのビジネスラインにおいてカスタマー・エクスペリエンスを統一することで、信頼を築くことを可能にします。業界特化型の機能とSales CloudおよびService Cloudのあらゆる機能により、金融サービス企業は、従業員の生産性を向上させ、価値を生み出すまでの時間を短縮し、すべてのインタラクションにおいて顧客の信頼を深めることができます。Salesforce Financial Services Cloudの詳細については、こちら(https://www.salesforce.com/jp/products/financial-services-cloud/overview/)をご覧ください。
提供時期
- Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloudは、2021年夏より一般提供を開始する予定です。Einstein Relationship Insightsの機能は現時点日本語未対応です。
その他の情報
- Corporate and Investment Banking for Financial Services Cloudの新機能の詳細については、こちら(https://www.salesforce.com/resources/financial-services/corporate-investment-banking-innovation/)をご覧ください。
セールスフォース・ドットコムについて
セールスフォース・ドットコムは、顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダーであり、デジタル時代において企業と顧客を近づけるお手伝いをしています。 1999年に設立されたセールスフォース・ドットコムは、あらゆる規模と業界の企業がクラウド、モバイル、ソーシャル、IoT、人工知能、音声、ブロックチェーンなどの強力なテクノロジーを活用し、360度で顧客と繋がるためのツールを提供します。セールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)の詳細については、www.salesforce.comをご覧ください。
本リリースおよび他のリリースや発表などで言及している今後提供予定のサービスや機能は、現在のところ利用できません。 サービスおよび機能の提供開始日は事前の予告なく延期または中止される可能性があります。セールスフォース・ドットコムのアプリケーションを購入する場合は、現在利用可能な機能を基に、購入の意思決定を行うものとします。 セールスフォース・ドットコムは、本社をサンフランシスコに置き、ヨーロッパならびにアジアでも事業を展開しています。同社は、ニューヨーク証券取引所に上場しており、ティッカーシンボル CRMで取引されています。