専用装置に比べてTCO 2割削減(※1)を実現するホワイトボックス対応ネットワークOSの提供
また、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、自社の商用ネットワークに「Beluganos」搭載のホワイトボックス装置を導入し運用をします。3社は連携し、NTT Comへの導入を通じて確認された高い信頼性と機能性を持ち合わせたネットワークOSを市場に供給することで、お客さまのネットワーク品質の信頼性・機能性の向上に加え、構築時の柔軟性・経済性の向上を実現していきます。
昨今、IoT(Internet of Things)の広がりや5Gなどをはじめとするネットワークの高速化により、データに基づいた分析やアクションを行うデータドリブンの社会へと急速に変貌しています。このような社会の動きを受け、今後も増加が想定されるデータ量や電力量に対応するため、NTTグループでは、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信・超低消費電力なネットワーク・情報処理基盤をめざすIOWN構想(※4)の具現化を進めており、2023年3月16日からIOWNサービスの第一弾としてAPN IOWN1.0(※5)サービスの提供を開始しました。さらに、IOWN2.0以降ではNTTで開発した光電融合デバイスをネットワークだけでなくコンピューティングの世界まで適用することで大幅な電力削減を図ることをめざしており、光電融合デバイスを活用した低消費電力サーバをNTT-ATをはじめとしたNTTグループから提供していく予定です。今後もパートナーとの価値創造に向けてIOWNサービス・プロダクトを早期にリリースしていく予定であり、「Beluganos」の販売開始はその一環となります。
一方、現在のネットワークにおいては、製造会社によるハードウェア・ソフトウェア一体型のネットワーク装置が使用されることが多く、ベンダから提供される限られた製品ラインナップからしか選択できないなど、投資効率の面で課題がありました。
2.概要
「Beluganos」は、これまでNTTが研究開発してきた技術をベースに、IOWN Global Forum(※6)にも参加しているグローバルパートナーであるIP Infusion社と連携し、IP Infusion社の技術を組み合わせて完成させたホワイトボックス装置対応のネットワークOSです。
NTT Comにおけるネットワークサービスへの導入を想定した検証を通じ、高い信頼性が確認できたことから、ホワイトボックス装置と組み合わせ、NTT Comの商用ネットワーク基盤へ2023年3月31日より導入し運用を開始するとともに、「Beluganos」の販売・サポートをNTT-ATより2023年3月31日から開始します。
「Beluganos」はホワイトボックス装置を活用してハードウェアとソフトウェアを分離することで、任意のハードウェアを選択することが可能となり、従来のハードウェアとソフトウェアの一体型のネットワーク装置における投資効率の課題を解決し、専用装置に比べてTCO 2割削減を実現します。また、「Beluganos」はネットワークの故障に対し迅速な対応をするうえで必要となる保守運用・監視機能が強化されており、通信事業者やデータセンタ事業者のお客さまの保守の高度化、運用品質の向上を実現します。
3.各社の役割
4.今後の予定
NTTグループでは、ホワイトボックス装置の活用やパートナーとの共創などを通じ、オープンイノベーションを推進し、自らのネットワークを変革する活動とお客さまのネッワークの高度化に取り組みます。並行して、開発/自社内での運用/販売・サポートによるDevOps体制を強化することで、持続的な開発のサイクルを回し、「Beluganos」の継続的な進化を図ります。さらに、将来の光電融合デバイスを搭載した低消費電力サーバの提供に向けて、今後もグローバルパートナーと連携してIOWNサービス・プロダクトの開発・社会実装を進めます。
【用語説明】
※1 TCO 2割削減
TCOはTotal Cost Ownershipの略。従来のハードウェア/ソフトウェア一体型の同スペックの一般的な専用装置利用時と比較し、ホワイトボックス装置と「Beluganos」を利用した際にかかる物品および保守などを含む役務の合計費用の2割削減を実現します。
※2 ホワイトボックス装置
装置ベンダ製のハードウェア上で、ソフトウェアを自由に選択・開発できる汎用的な装置です。
※3「Beluganos」はNTTの登録商標です。
※4 IOWN構想
あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。
https://www.rd.ntt/iown/index.html
※5 APN IOWN1.0
通信ネットワークの全区間で光波長を専有するオールフォトニクス・ネットワークで、IOWN構想を実現する初めての商用サービスです。
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20230302_01.html
https://www.ntt-west.co.jp/news/2303/230302a.html
※6 IOWN Global Forum
これからの時代のデータや情報処理に対する要求に応えるために、新規技術、フレームワーク、技術仕様、リファレンスデザインの開発を通じ、シリコンフォトニクスを含むオールフォトニクス・ネットワーク、エッジコンピューティング、無線分散コンピューティングから構成される新たなコミュニケーション基盤の実現を促進する新たな業界フォーラムです。https://iowngf.org/