華為技術日本/ファーウェイ、『グリーン5Gホワイトペーパー』をリリース8つの技術トレンドを紹介

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【2021年8月30日、中国、上海】「カーボンピークアウト」と「カーボンニュートラル」という世界的な動きが主流になりつつあります。世界各国の通信事業者のグリーンネットワークに関する低炭素化行動計画の達成を支援する取り組みとして、ファーウェイが初めて開催したワイヤレスメディア懇談会で同社のワイヤレスネットワークSRANプロダクトラインのプレジデント馬洪波(マ・ホンボー)氏は、「グリーン5G、E2(Energy Efficiency)、4つの方向性と8つのトレンドで低炭素の未来を実現する」と題した基調講演を行い、『グリーン5Gホワイトペーパー』を発表しました。本ホワイトペーパーは、グリーン5Gネットワーク向けエネルギー効率評価システムE2(Energy Efficiency)を初めて披露し、グリーン5Gネットワークの4つの方向から8つの技術トレンドを定義しました。

ワイヤレスネットワークSRANプロダクトラインのプレジデント馬洪波(マ・ホンボー)氏

   E2とはエネルギー効率評価システムのことです。ホワイトペーパーでは、エネルギー効率に関する業界の定義の具体化を図り、初めて通信ネットワークエネルギー効率の理念を実用可能なエネルギー効率評価システムに進化させました。実際の通信ネットワーク構築の目的やシナリオに応じて、これまでデータトラフィックだけで評価してきたエネルギー効率を容量、カバレッジ、体験などの複数要素のエネルギー効率評価システムに拡充させました。これにより、通信網のエネルギー効率の変化を正確に反映させ、5Gネットワークのグリーン省エネへの進化を後押しします。
   ホワイトペーパーは、「デバイスの高集約化、サイトの簡素化、ネットワークのインテリジェント化、環境配慮型ライフサイクル」という4つの側面からグリーン5Gネットワークの主な特徴について解説します。また、この4つの側面に沿った8つのグリーン5Gネットワーク技術トレンドを初めて打ち出しました。

トレンド1: RFのマルチアンテナ化で、デバイスのビットあたりのエネルギー効率とエネルギー伝送効率を大幅に改善
   RFの大規模アンテナアレイへの進化により、無線電波のエネルギーをビームに集中させることが可能となり、エネルギー伝送効率が向上します。また、RFのアクティブ部分は、マルチチャネル技術を使用してデバイス容量を増加させ、デバイスのビットあたりのエネルギー効率を大幅に改善します。64T64Rモジュールが4T4Rモジュールと比較してビットあたりのエネルギー効率が20倍向上したことがファーウェイのテストで実証されています。

トレンド2: デバイスの超高帯域幅対応、マルチバンドの統合で電力消費を削減
   効率の高い超広帯域幅パワーアンプとチャネル技術を搭載することで、複数のシングルバンドデバイスが1つの超高帯域幅対応デバイスに統合され、デバイス数と展開コストを大幅に削減し、電力消費を低減します。RRUはシングルバンドからトリプルバンドへの進化によって、30%以上の省エネ効果が得られます。

トレンド3:ハードウェアの休止の仕組みの緻密化により、中負荷と低負荷の電力消費を継続的に削減
   中負荷および低負荷時のエネルギー消費に影響を与える要因は、ハードウェアの電源遮断制御の細粒度と応答時間です。ハードウェアのモジュール化と休止の仕組みの緻密化により、遮断制御の細粒度と応答時間を大幅に改善できます。遮断の細粒度は30%から90%に改善され、応答時間は数分からミリ秒へと飛躍的に短縮されています。

トレンド4: サイト(基地局)の簡素化が進み、局舎と空調不要に
   サイトの電力消費は、主に空調などの周辺機器から発生します。BBUの集約化や屋外設置による空調機の削減や液冷などの効率的な放熱技術により、サイトの電力消費を30%削減します。

トレンド5:サイト全体の連携で包括的なエネルギーの有効活用を可能に
   サイト全体の給電、蓄電、電力消費関連部品と負荷の効率的な連携により、包括的なエネルギーの高効率利用を実現し、サイトの省エネ目標を達成することができます。太陽光発電を無線サイトに導入し、負荷と連携させ、ソーラーパネルの発電効率を最大化することで、日射時間が長い地域では、商用電源の消費電力を最大50%削減できます。

トレンド6:スマートネットワーク、省エネとネットワークパフォーマンスの両立
   ユーザー体験を確保した上で、スマートネットワークを活かし、負荷の変更に応じて周波数とキャリアなどのネットワークリソースの割り当てをリアルタイムで調整することは業界の常識となっています。ファーウェイが今回リリースしたPowerStar2.0ソリューションは、遮断するリソースの種類、遮断時間、運用保守効率の面で、省エネソリューションを向上します。こうした多方面の連携により、省エネを図りつつ、優れたネットワークパフォーマンスを維持します。

トレンド7:高い規格ほど5Gの高エネルギー効率の利点を活用できる
   各地での5Gネットワーク展開実績から、新しい5G技術の継続的な導入は、ネットワークの電力効率の向上につながっていることが伺えます。高速通信システムへ移行させることにより、5Gの高いエネルギー効率の利点を最大限に活用し、通信ネットワークの電力消費を有効に削減できます。

トレンド8: ライフサイクルを通して循環型経済を目指し、天然資源依存度を軽減
   循環型経済の理念に沿って、「グリーン」コンセプトを製品のライフサイクル管理に組み込んだファーウェイは、天然資源への依存を減らし、ライフサイクル全体を通じて低炭素化の実現に努めます。

   最後に、馬洪波氏は次のように述べています。「5Gネットワークが急速に普及している今、ファーウェイは5Gが業界の変革を加速させ、グリーン社会を支える基盤となることを願っています。『グリーン5Gホワイトペーパー』が掲げている「E2と8つの技術トレンド」は、グリーンネットワークへの移行を全力で推進し、通信事業者の低炭素目標達成を支援していきます。ファーウェイは通信事業者と協力して、グリーン5Gネットワークを普及させ、低炭素未来を実現します。」

 

 

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